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防寒用スリッパを購入「吉田戦車」商品名が気になって…
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2018.12.12 11:00 最終更新日:2018.12.12 11:00
このところ、岩手の実家に帰省する日が増えている。だいたい2、3泊するのだが、仕事は毎日のようにしなければならない。
このエッセイなどの文章は、新幹線の中で、スマートフォンで書くことがある。書くが、それがそのまま原稿になるわけではない。つんつん指で打った文章は散漫な感じになりがちであり、あくまでたたき台。あとからPCのWordで開いて、修正するのである。
マンガの仕事用に、紙類、シャープペンシル、ミリペン、消しゴム、消しカスをはらうブラシなど、ある程度の画材は持っていく。
ネーム(コマ割りのラフ)や下描きなどは、実家の「勉強机」でも描けるし、マンガ原稿用紙も置いてある。Gペンなどのつけペンやインクは置いていないが、ミリペンですべてを描くことにすればペン入れも可能だ。
その先の「紙に描いた原稿をスキャンして、Photoshopで仕上げる」という作業は、東京に帰ってからやる。10何年か前に一度、ノートPC、ペンタブレット、スキャナを持って帰省して、重くて心底懲りた。
岩手県の自宅2階の自室は、親のタンスなどが置かれているが、まだ現存している。10月終わりから月頭の気温は、肌寒い時もあるが、まだ暖房がいるほどでもなく、快適に仕事ができた。
冬はストーブを1階から持ってくればいいけど、夏はエアコンがないから無理だな、などと考えながら絵を描いていたら、さすがにちょっと足元が冷えてきた。
父の車を運転し、ホームセンター「コメリ」に立ち寄った。足元暖房でも買おうかと思ったが、とりあえず保留。
そうそう、コメリであるが、私は字面を見て「バナナ」とか「サラダ」のイントネーションで、長年発音していた。映画『アメリ』の発音といえばいいか。
それがまちがっていた、ということに気づいた。店内放送のCMでの発音は「ちくわ」と同じ、平板なイントネーションだった。「田中」とか。
車に同乗している親の前で、何回もまちがった発音でしゃべっていたわけだが、親は親で東北弁っぽく発音しているので(「晴れる」のような感じ)、何も問題はないのだった。
コメリで、暖房器具のかわりに買ったのは「チャールススリッパ」である。もふもふして暖かい、冬用のスリッパだ。398円。
チャールスってなんだ? と思って検索してみると、「チャールストンタイプ」というスリッパやサンダルの名称を、はしょったもののようだ。なぜこの形がチャールストンと呼ばれるのか、由来を知りたくていろいろ調べてみたが、けっきょくわからなかった。
小学生から高校生まで使った机でネット検索している姿に、「未来にきちゃったぜ、若き日のオレよ……」と思う。
よしだせんしゃ
マンガ家 1963年生まれ 岩手県出身 「ビッグコミックオリジナル」で『出かけ親』、「ビッグコミックスピリッツ」にて『忍風! 肉とめし』を連載中。妻はマンガ家・伊藤理佐さん。近刊に本連載の単行本『ごめん買っちゃった』(光文社)。そして、『忍風! 肉とめし2』(小学館)が新発売!
(週刊FLASH 2018年12月18日号)