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糖尿病、ガン、認知症…「歯周病」の長期化は万病を招く!

ライフ・マネー 投稿日:2018.12.19 12:00FLASH編集部

糖尿病、ガン、認知症…「歯周病」の長期化は万病を招く!

 

 身近に歯科医院が多いのがこの日本だ。この恩恵を利用しない手はない。だが、すでに歯周病が進行し、「手遅れ」の場合は?

 

「1989年から厚生省(当時)は、『80歳でも20本以上の自分の歯を保とう』という『8020運動』を推進してきました。そのため、なんとか歯を残したいという人も少なくありません。

 

 しかし、その目的はあくまでも食べ物の咀嚼のためであり、すでに歯の周囲の骨が溶けて嚙めなくなった歯は、抜いたほうがいい場合もある。全身疾患への影響や細菌の影響も抑えられます。

 

 義歯、ブリッジ、あるいはインプラントなどで、嚙む機能を一刻も早く回復し、理想的な栄養摂取につなげるべきです」

 

 歯科医へ行くことは必要だとしても、毎日のケアも非常に大事であることは言うまでもない。

 

「正しい磨き方のポイントは、プラークが溜まる歯と歯ぐきの間にしっかりと歯ブラシの毛先を入れること。

 

 歯ブラシの持ち方はペンと同じ。歯と歯ぐきの間に歯ブラシを当てて、小刻みに揺らすように磨きます。強くシャカシャカと音を立てて磨くのはかえって歯ぐきを傷めるのでよくない。

 

 歯ブラシだけで汚れを100パーセント取り除くのは無理なので、歯間ブラシやデンタルフロスのような、補助清掃用具も使いましょう」(沼部教授、以下同)

 

 食べ物や生活習慣も大きな影響がある。

 

「喫煙はニコチンなどの有害物質が免疫機能を低下させたり、傷口を治そうとする細菌の働きを抑制するので、できれば禁煙してください。

 

 プラークの原因はショ糖や炭水化物(糖質)で、柔らかいものを好んで食べている人もプラークができやすい。ただ、もちろんこれらを食べてはいけないということではなく、食べたらきちんと歯磨きをしましょうということです」

 

 

 進んだ歯周病には歯周外科手術がある。

 

「歯ぐきを切り開き奥深くまで入り込んだ歯石を取り除きます。最近では、歯ぐきを切り開き歯石を取り除いた後、歯周組織を再構築するゲル状の材料や薬を塗布して、歯ぐきを閉じる歯周組織再生治療をおこなっています」

 

 人生100年時代、健康に生きるために、自らの歯と向き合ってみるべし。

 

※図版・鴨居久一編著、沼部幸博著『新・歯周病をなおそう 第2版』より

 

(週刊FLASH 2018年11月20日号)

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