「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!
【お悩み/アナゴさん(45)公務員】
うちの妻は、なにごとも悪いほうに考えます。前から計画して服やバッグを買いに行っても、その場になるとあれこれ理屈をつけて、買い控えてしまうことが多々あり、買い物につき合うと疲労感がハンパないです。妻のネガティブ思考は、どうにかなりませんか?
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【山口先生のお答え】
まあ、そうなんですか。アナゴさんの奥さんは私と正反対ですね。私は結構衝動買いする方で、パッと見て「これ!」と思ったら、1秒も迷わず買ってしまいます。だから買い物、早いですよ。
そして、そういう自分の性格を良くわかっているので、クレジットカードは所有していません。現金だけ持ち歩いている分には、オケラになれば済みますが、カード決済したら破産の危険ありですから。
そんな私から見ると、奥さんはとても堅実で、良い伴侶だと思いますよ。だって、普通のお悩みは妻の浪費癖なのに、アナゴさんは奥さんが浪費しないことで悩んでいます。これはある意味、贅沢なお悩みでは?
アナゴさんこそ、奥さんの堅実さをネガティブに考えるのはやめましょう。そして買い物に行ったら奥さんに言ってあげて下さい。
「心配しなくても大丈夫だよ。僕がプレゼントするからね」
奥さんはきっと、バンバン買い物すると思います。
やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都・千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。最新刊『婚活食堂』が発売中