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吉田戦車、禁酒効果を測るべく血圧計を再召喚「もう離さない」
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2019.01.23 11:00 最終更新日:2019.01.23 11:00
2014年に3799円で購入した、私の「三日坊主の友」と呼ばれる機械、血圧計。それを久しぶりにひっぱり出し、毎朝測るようになった。
6月の健康診断で血圧135/103という、下がけっこう高い数字が出たのに、いつものように「どうせ測ったって下がらないんだよ」と放置していた自分に、いったいどういう心境の変化が?
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11月末に自覚症状があったのだった。寒くなってきたせいか、頭がグラグラするような、いやな症状が続いた。久しぶりに血圧を測ってみると、159/108。跳ね上がっとる。
「とっとと病院に行け!」というお叱りの声が聞こえるようだが、ちょっと待って。減塩や散歩程度ではまったく改善しない、高くなる一方の血圧に歯止めをかけるには、もうアレしかないのではないかと思った。禁酒である。
1日の望ましい飲酒量「日本酒1合」「ワイングラス2杯」ですませることができない人間であることは、35年かけてよくわかった。酒を抜いても血圧が下がらなかったら、観念して病院に行って薬をもらう、と宣言した。
「本当に続けられんのかよ」と思いはしただろうが、妻大歓迎。妻は、マンガの中では酒好きで酔っ払いのイメージがあるかもしれないが、γ-GTPも血圧もずっと正常値で、「私は本来、毎日飲まなくても平気な人間なのに、ヨシダさんが毎晩飲むからしかたなくつきあってきた」らしい。
そのわりには、自分からいそいそとグラスを並べることも多かったと思うが、まあいい。「酒抜くと肌の調子がいい。仕事もはかどる」というならば、それも妻孝行でありましょう。
禁酒のお供は血圧計である。毎朝7時前後、朝食前に測り、茶の間のカレンダーに書きこみ、可視化した。ほぼ毎日飲んでいたアルコールを突然やめて、飲酒欲求や禁断症状はなかったかというと、意外なほどなかった。
高血圧=動脈硬化。動脈硬化がもたらすものは、脳血管障害、心筋梗塞のリスク増大だ。それらの病気に対する恐怖を利用し、無理なく飲まない生活にシフトできた感じがある。
最初の1週間はほとんど下がらなかった。高値安定な感じ。が、これまたすごく久しぶりにつけ始めたアプリ「血圧ノート」のグラフを見ると、ゆるく右肩下がりにはなっているのだった。
数値に「いい変化が見える」ことの励み。血圧計の実力は、成果が出てこそ発揮されるものだったのか。
3週間後の、これを書いている朝、血圧は140/94。まだ高めなりに順調だが、下がったら下がったで、油断してまた連続飲酒を始め、思いっきりリバウンドしてしまうのだろうか。
そうならないよう、飲み会などたまの飲酒でガス抜きしつつ、「禁晩酌」は続けようと思う。たのんだぞ血圧計。もう離さない。
よしだせんしゃ
マンガ家 1963年生まれ 岩手県出身「ビッグコミックオリジナル」で『出かけ親』、「ビッグコミックスピリッツ」にて『忍風! 肉とめし』を連載中。妻はマンガ家・伊藤理佐さん。近刊に本連載の単行本『ごめん買っちゃった』(光文社)。そして、『忍風! 肉とめし2』(小学館)が発売中!
(週刊FLASH 2019年1月29日号)