ライフ・マネー
薄毛ケア器具を購入「吉田戦車」毛根の神様に土下座してる
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2019.01.30 11:00 最終更新日:2019.01.30 12:03
年相応に増えてきた白髪は、あまり気にしないでほっといているのだが、ここ1年ほどで、「うわ、薄くなる系も進行しているぞ!」と気づいた。さすがに動揺した。
若い頃から毛髪が太くて多かった。剛毛というやつだ。最近は若い頃より毛質は細くやわらかくなってきたが、伸び方は普通に旺盛だった。
【関連記事:吉田戦車、10年前買った炊飯鍋が自慢「高級品の97%ウマい」】
散髪に行くのがめんどくさくて、妻の伊藤に、「もうこんなに髪の毛元気じゃなくていいのに」的な、罰当たりなことを言ったりしていた。そのバチが当たったのか。
横や後頭部に比べ、頭頂部の髪の伸びが、明らかに衰えてきた。まわりが3センチ伸びる間に、1センチも伸びない感じ。毛も細く、なんだかポヨポヨしている。
遺伝的な宿命はもちろんあるだろうが、親戚はともかく、父はハゲていない。帽子やヘルメットをよくかぶっているので、頭や髪が蒸れたり、暑さ寒さにさらされず、甘やかされていたり、ということはあるのではないだろうか。
そこで、晴れの日以外は帽子をかぶらないことにしてみたが、もちろんそれですぐにザワザワ生え出すようなことはないのだった。
妻が、自分も愛用しているヘアブラシを買ってくれた。英国伝統の最高級ヘアブラシ「メイソンピアソン」のモノである。なんとなく高いだろうなと思っていたが、今値段を調べて仰天した。1万8360円。美容雑誌の連載などもしているので、妻の美容系出費はかなり豪快だ。
硬質の猪毛ブラシは頭皮がザリザリ刺激できて気持ちいいのだが、それほど熱心にやらないでいたら「もったいない」と、妻が自分のものにしてしまった。
……髪、もういいや、というあきらめのようなものはある。もうモテたいとかそういう気持ちもないし、あちこちおだやかにしなびていけばいいだけのことなのではないか。
などと、思いつつ、美容・健康器具コーナーで手にとって、つい買ってしまったのが「ヘッドスパハンドプロ」。1620円。薬を使うのはイヤだが、その手前でなんとか改善したい気持ちが、さすがにまだ残っていた。
宇宙人のような細い5本指の先に小さいメタルボールが埋め込まれていて、頭皮をクリクリ刺激してくれる道具だ。「130万個突破!! 売れてます!」というシールにもそそられた。
帰ってクリクリしてみると、これが思った以上に気持ちいいのだった。ものすごく、ではないけど、指ともヘアブラシともちがう「軽い指圧」が普通に気持ちいい。よく気が利く宇宙人に、やさしくしてもらってる感じ。仕事中の眠気覚ましなどにもいい。
ついでに洗面所に行って、妻のものとなってしまっている高級ヘアブラシで、久しぶりにザリザリしてみたり、指や手のひらで頭皮マッサージをしてみたり。
頭皮や毛根の神様に「薄くなってもいいとか言ってすみませんでした」と、心の中で土下座しつつ、クリクリザリザリを続けている。
よしだせんしゃ
マンガ家 1963年生まれ 岩手県出身 『ビッグコミックオリジナル』で『出かけ親』、『ビッグコミックスピリッツ』にて『忍風! 肉とめし』を連載中。妻はマンガ家・伊藤理佐さん。近刊に本連載の単行本『ごめん買っちゃった』、そして『忍風! 肉とめし 2』が発売中
(週刊FLASH 2019年2月5日号)