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【食堂のおばちゃんの人生相談】43歳・観光業のお悩み
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2019.03.01 11:00 最終更新日:2019.03.01 11:00
「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!
【お悩み/ゴッホさん(43)観光業】
会社の後輩が、絵に描いたような金髪白人美女と結婚することになった。写真を見せられて、羨ましくて仕方ない。比べてはいけないと思いながらも、我が家の妻(ごく普通の日本人)と比べてしまう。後輩を心から祝福できるような、寛い心を手に入れるには、どうしたらよいのだろう。
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【山口先生のお答え】
それは無理です。ものすごい美人(しかも金髪!)と結婚することになった会社の同僚や後輩を、心から祝福出来る人が、この世にいるでしょうか?
多分、誰もが内心「このヤロー、ウマいことやりやがって!」という気分、つまり嫉妬と羨望を感じるはずです。
私だって自分の友人が若いイケメンと結婚することになったら、表面は「おめでとう」と祝福しつつも、内心は穏やかではいられないでしょう。
どうしてあの女に訪れた幸運が、私には訪れなかったんだろう。どっちも似たり寄ったりのショボいおばさんなのに。私は43回もお見合いしたけど、あの女は大した努力もしていないのに……等々、自分の不運を嘆き、彼女の幸運を呪ったことでしょう。人間というのはそういう生き物なのです。
あなたが心から後輩を祝福出来るのは、10億円の宝くじに当たり、後輩の嫁よりもっと美人の愛人を2~3人ゲットした時だけです。
だからゴッホさん、安心して後輩を羨んで下さい。自分の心に潜む、嫉妬や羨望といった負の感情と真摯に向き合うことは、あなたの人生に何かをもたらすはずです。
そして将来、国際結婚の困難に負けて後輩が離婚することになったら、心から同情してあげて下さい。
やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都・千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。最新刊『おばちゃん介護道』が発売中