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【食堂のおばちゃんの人生相談】40歳・金属加工業のお悩み
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2019.03.18 11:00 最終更新日:2019.03.18 11:00
「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!
【お悩み/ためぞうさん(40)金属加工】
わが家では、妻が料理、私があと片付けをするのがルールだ。先日、泥酔して皿洗いをサボったら、それ以来、妻にネチネチ文句を言われている。自分だって、外で買ってきた総菜で手抜きをすることもあるのに、納得できない。
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【山口先生のお答え】
ええっ!? 皿洗いして後片付けしてくれるんですか? 良い旦那さまですねえ。羨ましいです。
私なんか、書く仕事以外に掃除・洗濯・料理・ねこの世話と、家事を全部やらないといけないんですよ。時々、逃げ出したくなります。
ためぞうさんが、奥さんの嫌味に頭にくる気持ちはよくわかります。一度くらい酔っ払って皿洗いをサボったとしても、奥さんだって完璧じゃないわけです。その点ではお互い様じゃないですか。
ただ、奥さんがネチネチ文句を言ってくるのは、もしかしたらあなたに腹を立てているのではなく、別の原因があるのかも知れません。職場で嫌なことがあったとか、友人とトラブルが生じたとか。その場合あなたは八つ当たりされているわけで、それはやはり頭にくると思います。
でも見方を変えれば、奥さんはあなたに甘えていることになります。甘えられる相手が、あなたしかいないのかも知れません。そう考えると、少し奥さんに対して寛大な気持ちになれるのではありませんか?
夫婦でいがみ合うより、ここはためぞうさんが大人の度量を示してあげて下さい。「この頃疲れてるみたいだけど、大丈夫?」とか何とか、優しい言葉をかけてあげて下さい。そしてステキなレストランに誘いましょう。
奥さんはあなたの思いやりに触れ、自分が当たり前のように受け取っていた優しさの価値に気付き、自らの態度を改めると思います。
やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都・千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。最新刊『おばちゃん介護道』が発売中