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【食堂のおばちゃんの人生相談】42歳・化学業のお悩み

ライフ・マネー 投稿日:2019.04.01 11:00FLASH編集部

「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!

 

【お悩み/エドさん(42)化学】

 

 私の母は、ブランドモノのバッグを集めるのが趣味だが、妻はまったく興味がない。夫婦だけになると「もったいない」「年甲斐もなく」と母の悪口のオンパレード。いい加減うんざりだ。なんとかならないだろうか? 

 

 


【山口先生のお答え】

 

 なりません。古来、嫁と姑というのは仲が悪いんです。奥さんがお母さんの目の前で悪口を言って、2人がとっ組み合いの大喧嘩を始めるなら別ですが、お母さんのいない所で浪費癖の悪口を言うくらい、消費税の一種と思って我慢して下さい。

 

 エドさんは森鷗外の『半日』という短編を読んだことがありますか? 鷗外が自分の妻と母との確執を題材に、リアルに日常を書いた作品と言われています。そこに描かれた日常は地獄です。妻は夫の前で姑を「○○○○が!」と罵るのですよ。

 

 現実の鷗外はいくらかマザコンですが、それでも常に妻と母との間に立って、あちらも立て、こちらも立てようと、苦心惨憺していたそうです。でも、文豪も嫁と姑の諍いを鎮めることは不可能でした。

 

 まあ、そんなわけで、奥さんがお母さんの悪口を言うのを止めることは、エドさんにも不可能と推察致します。

 

 それに、ものは考えようです。奥さんがお母さんのブランド好きに感化されて「あのバッグ、本当にステキね。私も欲しいわ!」なんて言い出したら、お宅の家計はどうなりますか? ちなみにエルメスのバーキンは1個ウン百万円もするんですよ!

 

 これからはあなたも奥さんと一緒になって、お母さんの無駄遣いの悪口を言ってあげましょう。そうすれば奥さんはご機嫌で、家庭は円満です。こういうのを「噓も方便」と言うんですよ。

 


やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都・千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』で松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、最新刊『夜の塩』が発売中

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