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【食堂のおばちゃんの人生相談】47歳・施設管理業のお悩み

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2019.04.12 11:00 最終更新日:2019.04.12 11:00

「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える! 

 

【お悩み/文治さん(47)施設管理】

 

 

 性教育は大事だろうと思い、高校生の息子にコンドームを渡して話をしようとしたら、めちゃキレられました。思春期の息子とそんなに会話があったわけではありませんが、さらに溝が深まりました。私が悪かったのでしょうか?

 

【山口先生のお答え】

 

 そりゃあ文治さん、あなたが悪いですよ。確かに性教育は大事です。でも、その前に、性というとてもデリケートな問題について腹を割って話せる信頼関係を息子さんとの間に築いているかどうか、そこを考えませんでしたか?

 

 私は亡くなった母ととても仲が良くて、癒着に近いほどの母子関係だったのですが、お陰でお互いに常に本音で話し合うことが出来ました。「キレイ事は学校で教えてくれるから、親は身も蓋もない真実を教えるべき」というのが母の教育方針でした。

 

 私が中学生の時、母は言いました。

 

「いじめで自殺するくらいなら、相手を殺しちゃえば良いのよ。仕返しされないと思うからエスカレートするんだわ」
「別に殺さなくても、ケガさせるだけで相手はビビって、二度と手出ししないから」
「人間も国家も、相手に舐められたらお終いよ」

 

 まるで「極道の妻」みたいなセリフのオンパレードですが、学校では教えてくれない真実だったと思っています。

 

 こんな母でしたから、性教育も本音でした。
「ヤバいのは妊娠と性病!」
 それを叩き込まれたので、私は怖くて “ノリ” でセックスが出来ませんでした。

 

 文治さん、まずは建前やキレイ事を捨てて、本音で息子さんと会話しましょうよ。そうすれば父子の信頼関係も生まれてくるはずです。性教育はそれからだ!

 

やまぐちえいこ

 

1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、最新刊『夜の塩』が発売中

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