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【食堂のおばちゃんの人生相談】50歳・教員のお悩み

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2019.04.22 11:00 最終更新日:2019.04.22 11:00

食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!

 

【お悩み/野本さん(50)教員】

 去年の秋ごろから異常に酸っぱいものが食べたくなり、朝起きてレモンを丸かじり、ラーメンには酢を入れ、梅干しも毎日食べて、周囲の人から「妊婦か!?」と突っ込まれています。なんとかなりませんか?

 

 


【山口先生のお答え】

 おや、レモンにお酢に梅干し、つまりアルカリ性食品を毎日たっぷり摂取なさっているわけですね。それは健康を考えたら、非常に素晴らしい食習慣だと思いますよ。無理に止めなくても良いんじゃないでしょうか。

 

 原因として考えられるのは、野本さんの身体が酸性化していて、それを中和するために酸っぱいものを欲するのではないかと思います。

 

 以前中華の譚彦彬シェフに伺ったお話ですが、中国は広いので、土地によって使う食材も調味料もガラリと異なるのだそうです。

 

 東北部で調味料といえばまず酢、揚子江流域は醤油、南へ行くと魚醤が登場するとか。「東北部は冬になると野菜がほとんど採れないので、身体が酸性化する。それを中和するために酢を多用する」と仰っていました。

 

 ちなみに30年以上前、譚さんが北京のホテルにゲスト料理人として招かれたとき、そこの厨房では誰も紹興酒を知らなかったそうです。

 

 紹興酒は浙江省紹興市原産のお酒ですが、浙江省は北京とはだいぶ離れています。北にある北京では白酒(パイチュウ)が一般的だったのです。

 

 さて、毎日の食事でビタミン・ミネラルの豊富な野菜や海藻、果物をたっぷり食べれば、今ほど酸っぱいものは欲しくならないと思います。

 

 でも、レモンもお酢も梅干しも、身体に良いですよ。

 


やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』(文藝春秋)が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、最新刊『夜の塩』が発売中

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