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インドでイエティの足跡発見…知られざる日本人の雪男遭遇史

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2019.05.02 16:00 最終更新日:2019.05.02 16:00

インドでイエティの足跡発見…知られざる日本人の雪男遭遇史

インド陸軍公式ツイッターより

 

 4月30日、インド陸軍が公式ツイッターで、雪についた生物の足跡写真とともに「伝説の怪物イエティの足跡を見つけた」と投稿した。イエティ(雪男)は、インドやネパールに囲まれたヒマラヤ山脈に住むとされているUMA(未確認動物)で、日本人による目撃情報も多い。探検家の角幡唯介氏が、かつて本誌にこう語っている。

 

「日本人でいちばん間近で見たのは芳野満彦さん。マッターホルン北壁を日本人として初めて登った有名なクライマーです。女性として世界で初めてエベレストに登頂した田部井淳子さんも、ヒマラヤの8000m峰6座に無酸素登頂した小西浩文さんも見ています。そしてルパング島で残留日本兵・小野田寛郎氏を発見した冒険家・鈴木紀夫氏も雪男を見た一人。彼は全部で6回捜索をおこない、最後は雪崩に巻き込まれて亡くなっています」

 

 

 本誌は、実際に雪男を目撃したという田部井淳子(故人)さんにも話を聞いている。

 

「1981年にチベットにあるシシャパンマ6200m付近で、氷河の急斜面を左から右へ移動していく大きな黒いものを見たんです。なんだ? と思ってメガネのホコリをはらって掛けなおし、もう一度上を見たら、黒い物体が今度は右から左に移動した。以前、英国の隊員が発見した雪男の頭皮と呼ばれるものを見たときはまさかと思ったけど、それ以来、『いる』と思うようになったの」

 

 雪男捜索で命を落とした鈴木氏の妻、鈴木京子氏にも話を聞いている。

 

「私たちは新婚旅行も雪男捜索だったんです。場所はコーナボン谷の『千葉ポイント』。スケッチブックに雪男の絵を描きあったんですが、主人の絵は横向きで、雪男というよりゴリラのようなものでした」

 

 前述の角幡氏も、2008年8月、雪男捜索隊としてヒマラヤに発った。この捜索で、隊員の一人が「これは!」という足跡を発見し、撮影に成功する。それは下山後にフランスのAFP通信が雪男の足跡として世界に配信し、日本でも大きく報じられた。

 

 いまだ確認できない雪男だが、実は、その存在がアメリカの公文書に記載されたことがある。1959年、アメリカ国務省はネパールにあるアメリカ大使館から、「イエティに対する登山家規制」という報告書を受け取っている。 

 

 そこには、イエティ探索に関するいくつかの条件が記載されていた。

・探検家は、イエティ探索のためにネパール政府に5000ルピーを払わなければならない。
・イエティに対して、自衛以外で殺害したり銃撃してはならない。
・撮影した写真や捕獲したイエティは、ネパール政府にすぐ引き渡さなければならない。

 

 アメリカ国立公文書館のサイトによれば、この文書には政治的な意味合いが多分に含まれているという。1959年といえば、ちょうどアメリカとソ連の冷戦真っただ中。そのため、ネパール政権に対するアメリカの支持を示すため、戦略的に書かれた文書だというのだ。

 

 政治利用されたこともあるイエティだが、存在が否定されたわけではない。今回、インド軍が発見した足跡から、新たな事実が出てくることを期待したい。

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