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高卒の公認会計士が「ミニトマトビジネス」を確立させるまでライフ・マネー 2019.05.09

 

 そのむかし、トマトといえば酸っぱくて、体にいいと言われても、なかなか手が伸びなかったものだ。しかし、近年は品種改良が進み、美味しくなった。スーパーの野菜売場では、大小さまざまなトマトが所狭しと並ぶ。なかでもミニトマトは、需要が伸びているという。

 

 中川英之さん(47)は、公認会計士の肩書を持つ一方、「高糖度フルーツトマト」の栽培モデルを提案する会社を経営している。

 

「じつは5月1日に、社名を(株)オスミックに変更します。オスミックとは、『微生物を活用した有機培土栽培』の英語の頭文字をつなげた造語。

 

 4年前に有機培土(貝殻などを混ぜて発酵させた土)の販売を目的に、(株)オーガニックソイルを設立しましたが、いまでは、トマトの栽培から販売までをパッケージにして提案する会社に発展しました。

 

 現在、うちが手がけているハウスで栽培している主力商品は、ミニトマト。センサーで1個ずつ糖度を測り、4段階に価格を分けて販売。もっとも甘いものを『プレミアム』とし、スーパーなどに卸しています」

 

 ミニトマトに目をつけたのには理由がある。

 

「うちの土を使うと、どんな野菜や果物でも美味しくなる自信があります。でもそれだけでは商売にはならない。

 

 トマトは、生産者の努力などで、美味しさを評価した値段で買ってくれる市場が出来ていました。たとえば宮崎のマンゴーなら、1個1万円もします。しかし、それでも買う人がいる。それなら作る側も、意欲が湧きます」

 

 会社を始める4年前までは、農業とは無縁の公認会計士だった。公認会計士になるためには、司法試験と並んでもっとも難しいといわれる、1次、2次の国家試験がある。

 

「大学受験に落ちたとき、親父が『大学なんて行かなくていいから、30ぐらいまでにやりたいことを見つけろ』。親父は京都大学の出身でしたが、『サラリーマンやっていて、いいことなどはなかった』といつも言っていました。若かった僕はそうなんだと思って、大学へは行かないことにした。

 

 それでバイトをしていたのですが、親を安心させようと思ったのか、何か資格を取ろうと。たまたま2歳上の兄が会計士の勉強をしていたこともあり、会計士の資格を、と思った。だから、志があったわけではないのですね」

 

 会計士の資格を取ると、普通は大手監査法人に就職する。ところが、まったく興味がなかった中川さんは、ワンマン経営者に鍛えてもらおうと考えた。門を叩いたのが「税理士法人 山田&パートナーズ」だった。27歳のときだ。

 

「自分で何が転機になったかといえば、山田(淳一郎)先生に出会ったこと。僕は人と出会う運がいい。そのときに、自分が出会わなければいけない人に出会える」

 

 仕事を与えられ、怒鳴られながら休みなく働いて、鍛えられた。35歳からの5年間は、経験のなかった倒産案件に関わり、「ビジネスマンとしてもっとも濃厚な時間で、成長を感じられた期間」を過ごした。山田先生の印象は「当たり前のことをやらなかったときに、いちばん怒鳴ったことですね」。

 

 経験を糧に、40歳のときに独立した。独立して3年後、渡邉誠一氏(現・副社長)と出会う。渡邉氏の研究に魅力を感じ、翌年、会社を一緒に始めた。

 

「もともと、有機の材料だけで作った土で病気に強い作物を作ろうと、渡邉さんが島根大学と研究をしていたんです。その土をいろいろな作物で試したら、偶然すごく美味しいトマトが出来た。

 

 これなら土よりトマトを売ったほうがビジネスになると渡邉さんが考えた。それで土・肥料・ハウス・栽培・販売までをパッケージ化したビジネスモデルを作り、あちこちに売り込んだわけです。

 

 会社の転換期となったのは、三菱地所さんがうちの農業パッケージを始めてくれたこと。それまでの2年半は、本当に苦しかった」

 

 農場の規模が大きいほうが、効率はいい。いまは大規模化を望む大企業とだけ、話を進めている。次なる主力商品はイチゴ。それも、夏でも美味しい冬品種を開発中だ。イチジクやマンゴーなども考えている。

 

「正直がいい、馬鹿正直ならもっといい」。山田先生の教えを胸に、中川さんの奮闘は続く。

 


(週刊FLASH 2019年4月30日号)

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