ライフ・マネー
花粉症には漢方薬「吉田戦車」竜が鼻の奥で花粉退治してる!
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2019.05.29 11:00 最終更新日:2019.05.29 11:14
スギ、ヒノキの花粉症が発症して、20数年がたつ。他の季節の花粉は大丈夫だから、まだ幸いな方といえるのだが、3月4月は毎年ハナをかんでいる。
とはいえ、最初の数年は症状がひどく、病院に行ったこともあったが、今は経験値を積み、それなりにやりすごす様々な対処法を身につけた。
最大のガードは「あまり外出をせず、花粉を吸わないこと」に尽きるのだが、職業柄それができる環境にあり、申し訳ないやらありがたいやらだ。
【関連記事:吉田戦車「自己流手作りカレー」にハマりすぎてスパイスの嵐】
買い物などに出る時は、マスク、帽子、花粉が落ちやすい上着の装備で出かけ、1、2時間で帰ってきて空気清浄機の前でゴロゴロ転がって花粉を除去する。
わずらわしい季節ではあるが、春がきらいかといえばそんなことはなく、次々に咲きはじめる花を普通に楽しみにしている。山菜や春野菜もうれしいですね。
どうしても長時間外出しなければならなくなった時は、常備している薬にたよる。かつては耳鼻科で処方してもらったり、市販薬を買ったこともあるが、今は漢方薬だ。
「小青龍湯」
鼻水、アレルギー性鼻炎に効果あり、という薬で、私には効いている実感がある。毎日3度飲むほどつらくはないので、たまに飲む。常用しないから効くのかもしれない。
春、確実にやってくる「長時間外出業務」は、飲食をともなう花見である。今年も参加して、酒気帯びで子供とバドミントンをして転びそうになったりしたが、やはりパスするわけにはいかない春の楽しみなのだった。
もちろん事前に小青龍湯を飲んでいくのだが、酔っぱらって帰宅後、ざっとシャワーで花粉を洗い流しはしたものの、寝る前に一服飲んでおくことを忘れてしまった。
午前2時すぎ、うっすら目覚めた瞬間に、つーーっとあふれるような水っぽい鼻水が。その後、二度寝できないレベルで鼻水、鼻づまり、目のかゆみに襲われ、完全に眠気を奪われる。
横のふとんの、花粉まみれのクマバチ状態で帰宅して、風呂にも入らず外出着のまま寝てしまった子供をうらめしく思う。
とりあえず顔を洗い、場合によってはちがう部屋に寝床を移すか、と考えつつ、これまた常備している花粉用目薬を差し、小青龍湯を飲んだ。
青竜が鼻の奥をぐるぐる回転しながら花粉を退治している様子をイメージしているうちに、症状はおさまり、ふたたび眠りに入ることができた。
なぜこんなかっこいい名前なのかというと、配合されている生薬のうち、「麻黄」の色が緑色だから、らしい。大青龍湯という大ボスみたいなのもあるそうだが、市販されているのを見たことはない。
花粉を飛ばす植物や、それにアレルギー反応を起こす自分の体や、漢方薬の知識の蓄積や、竜や幻獣を想像する人の心などなど、いろいろな物のつながりを思いながら、過ぎゆく春を楽しんでいる。
よしだせんしゃ
マンガ家 1963年生まれ 岩手県出身 「ビッグコミックオリジナル」で『出かけ親』、「ビッグコミックスピリッツ」にて『忍風! 肉とめし』を連載中。妻はマンガ家・伊藤理佐さん。近刊に本連載の単行本『ごめん買っちゃった』(光文社)。そして、最新刊『出かけ親 1』(小学館)が好評発売中!
(週刊FLASH 2019年5月7・14・21日合併号)