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【食堂のおばちゃんの人生相談】38歳・飲食店勤務のお悩み
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2019.07.01 11:00 最終更新日:2019.07.01 11:00
「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!
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【お悩み/キヨシさん(38)飲食店】
子供のころから「老け顔」でした。しかし、「老け顔は年を取っても変わらないので、いずれはかえって若く見られる」と言われ、心の支えにしてきました。
ところが最近、髪の毛が薄くなってきたんです。僕にはもう、若く見られる日は来ないのでしょうか。
【山口先生のお答え】
お悩みを伺っていたら、「ヒロシです……」というボヤキ芸人さんを思い出しました。
いえ、あなたのお悩みを笑う気は毛頭ありません。かく言う私も “生まれながらのおばさん顔” なんですから。小学生のときすでに高校生に間違われましたし、高校生のときは子持ちの主婦と間違われました。
そして……。確かに50過ぎてクラス会に出席しても、昔と全然変わらないので、皆さん覚えていてくれました。今や “お婆さん” になってしまったので “おばさん” に見られるのは若く見られるってことですよね。
だからキヨシさんも心配ありません。中途半端に老けるからいけないのです。“老け顔” と言うからには “おじさん” じゃなくて “おっさん” なんでしょ? それなら本物のお爺さんになってからが勝負ですよ。
周囲が全員「老けたねえ」と思われる中、キヨシさんだけは「昔とちっとも変わらない 」と、羨望の眼差しで見られるのです。その日が来るまで、希望を持って明るく生きましょう!
ちなみに、私は年取ったからおばさんになったんじゃありません。子供の頃から乗り物の席が空けばお尻を割り込ませたし、重い荷物を持ち上げるときは「どっこいしょ~のすけ!」と言ってました。
女子高生や女子大生の頃は、謂わば詐欺でした。肩書きは高校生や大学生でも、中身はおばさんですから。今は外見が中身に追いついて、とても快適です。英語で言えば “ナチュラルボーンおばちゃん” かしら。
やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都 千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中