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【食堂のおばちゃんの人生相談】35歳・契約社員のお悩み

ライフ・マネー 投稿日:2019.07.05 11:00FLASH編集部

「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!

 

【お悩み/ラリーさん(35)契約社員】

 

 職場の契約社員仲間が、「トイレットペーパーは職場から持って帰る」と衝撃発言を。契約社員と正社員は待遇の差が大きいので、それくらい当然だと言うのです。「それ、泥棒だよ」と言っても聞きません。

 

 

 根気よく彼を説諭すべきか、会社に報告すべきか、どちらが正しいでしょう?


【山口先生のお答え】

 

 まず、「会社の物を勝手にネコババするのは泥棒と同じ」というあなたの健全な感覚を褒めたいと思います。私もまったく同感です。

 

 ただ、彼に説教を続けて考えを改めさせることも、会社に報告することも、どちらも賛成できません。

 

 何故なら、彼は自分のやっていることが泥棒に当たるのを承知で、「正社員との格差が悪い」と開き直っているわけですから、あなたが何を言っても結局は “馬の耳に念仏” “蛙の面にションベン” で、まるで効果がないからです。かえって “ウザイ奴” としてあなたを敵視する結果になりかねません。

 

 また、ネコババがトイレットペーパーに留まっている間は、会社への報告も待ってあげた方が良いと思います。正社員と契約社員の格差が大きいのは事実だからです。同一労働で賃金格差が2倍も3倍もあるのは、やはり不公平です。彼の鬱憤もある程度は理解できます。

 

 しかし、もしネコババがエスカレートしていくようなら「これ以上続けるなら、会社に報告せざるをえない」と警告することは必要でしょう。放っておいたら、いずれ大事になるかも知れないので。あなたの勇気と正義感を、これからも大切にしてね。


やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中

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