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【食堂のおばちゃんの人生相談】42歳・デザイナーのお悩み
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2019.07.15 11:00 最終更新日:2019.07.15 11:00
「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!
【お悩み/しゅりさん(42)デザイナー】
我が家のねこは、餌を皿に入れても見向きもせず、私が手に載せて与えると、やっと食べてくれます。心配で、長時間の外出もできません。どうしたらこの子は皿から餌を食べるようになりますか?
【山口先生のお答え】
まあ、甘えん坊さんですね。でも、手に載せてあげないと餌を食べないなんて、可愛いわあ。よほど飼い主さんのことが好きなんですね。
お宅の猫ちゃんは多分、わかっています。あなたが自分にメロメロで、ご飯が心配で外出もままならないことを。そして、それを楽しんでますね。つまり、あなたは猫に鼻毛を読まれてるんです。
あなたがそばにいなければ、猫ちゃんは仕方なくお皿から食べると思います。試しに餌をお皿に入れて、一日外出してみて下さい。帰ってきたら、きっとお皿は空になっています。
それでもダメなら、一泊旅行に行ってみましょう。我慢できずに、絶対食べてます。
うちの母は今年の初めに急に体調を崩して衰弱してしまいまして、八割方回復したのですが、以来今でもトイレに行くときは私を呼ぶので、毎回付き添ってます。
ところが、私の外出中は一人でちゃんとトイレに行くんですよ。ほんとは出来るんです。甘えてるだけなんです。
と言うわけで、お宅の猫ちゃんも皿から食べられないのではなく、甘えてるだけです。心配しなくても大丈夫。
ただ、あなたがそばにいる限り、やはりお皿からは食べないと思います。それで良いじゃありませんか。あなたと猫ちゃんは相思相愛なんですから。
やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして『夜の塩』(徳間書店)が発売中