【人体に影響があるカビ毒一覧】
《麹カビ(アスペルギルス属)》
最も一般的なカビのグループ。穀類などの食品、埃、畳、カーペット、家具類などに分布。空調設備にも発生し、肺炎の原因になることもあるので、こまめな清掃が大事になる。一般的な感染経路は、呼吸器系。肺に付着すると喘息を引き起こす。
●アフラトキシン:
発ガン性があり、肝ガンを引き起こす。白血球の増殖を抑制する
●オクラトキシンA:
水回りで暴露する。腎臓病や有害な神経学的影響を引き起こす可能性あり。複数の脳領域に重大な酸化的損傷を引き起こす可能性がある
《青カビ(ペニシリウム属)》
食品、壁紙、カーペットなど、屋内で繁殖。アレルギー反応を引き起こす。低湿度で繁栄。腎臓にダメージを与え、発ガン性もある。
●ステリグマトシスチン:
発ガン性あり。コーン、パン、チーズ、スパイス、コーヒー豆などに発生
●ミコフェノール酸:
リンパ球の増殖を阻害。女性が妊娠中に暴露した場合、流産および先天異常を引き起こすことも
《緑がかった黒カビ(スタキボトリス属》
石膏ボード、紙、ファイバーボード、および天井タイルなど、セルロース含有量が多く、窒素含有量が少ない材料で成長する。免疫を抑制するカビ毒を生み出す。水回りのカビは手の傷口からも侵入するので、掃除の際は必ず手袋とマスクを着用すること。
●ロリジンE:
水害にあった建物、汚染された穀物で見られる。たんぱく質の生合成を阻害
●ベルカリンA:
腸粘膜、骨髄に影響。嘔吐、皮膚炎、および出血性病変を引き起こす可能性がある
《赤カビ(フザリウム属)》
麦をはじめ、多数の植物に寄生。温暖な気候と、低い湿度で成長。腹痛、倦怠感、下痢、嘔吐を引き起こし、死亡することも。
●エニアチンB:
抗生物質の性質を持つ。慢性的に暴露すると、体重減少、疲労、および肝疾患を引き起こす可能性がある
●ゼアラレノン:
生殖系の変化を引き起こすことがある。胸腺萎縮や、リンパ球免疫反応の障害を引き起こし、病気にかかりやすくなる
(週刊FLASH 2019年7月23・30日号)