ネットオークション「ヤフオク!」に本物の旅客機が出品され、話題を呼んでいる。オークションのタイトルは「日本航空機製造(株)製 YS11a-500 実機 世界で自衛隊で2機運用されている以外当該1機しか実用機はありません」というもの。
商品説明には、《2020年4月まで耐空検査あり。ラスト・フライトはフィリピン(マニラ)~スリランカまでを2019年6月20日飛行。注意事項:現在同機はスリランカにて駐機しており、日本に専属のパイロット、整備士がおり、月20万円にて雇用可能》とある。商品の状態は《目立った傷や汚れなし》となっている。
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YS-11は、双発プロペラ機で、第2次世界大戦後、初めて日本メーカーが開発した国産旅客機。戦前、航空機王国だった日本だが、敗戦により航空機製造が全面禁止に。1952年に製造等が解禁され、1962年に1号機が初飛行している。
開発には、ゼロ戦を設計した堀越二郎など、有名技術者が大挙して参加したことで知られる。
同機を所有するSakurai Aviationの担当者に話を聞いた。
「お仕事をリタイアされた方々のスリランカ旅行にYS-11を使うプランを考えて探していたところ、1年前にフィリピンにあることを知り、買い付けました。
そして、完全にオーバーホールをしてスリランカに移動。しかしテロが起きてしまい、旅行客は激減してしまいました。搭乗人数がおよそ60名のYS-11を満席にするのは難しいため、もう少し小型の旅客機を買うための資金づくりで売却を決めました。
YS-11の購入額が8000万円。オーバーホールを合わせると1億円を超えますが、スリランカの飛行場の駐機料が1日30万円になりますのでねえ……。
同機の操縦免許をもつ日本人パイロットが2名いますので、指導もできます。問い合わせですか? 国内外からそれなりにありますが、冷やかしも多くて困ります(苦笑)」
オークションの終了日時は9月12日21時41分。3500万円からのスタートで、即決価格は5000万円となっている。送料は落札者負担だが、スリランカより日本まで責任を持って飛行運送してくれるという。マニア垂涎のYS-11、はたして落札されるのか。