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【食堂のおばちゃんの人生相談】44歳・会社員のお悩み
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2019.09.20 11:00 最終更新日:2019.09.20 11:00
「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!
【お悩み/タニシさん(44)会社員】
職場結婚して17年めの妻から離婚を切り出された。2人とも仕事人間で子供も作らず、夜の営みも3カ月に1度でしたが、やはりショックです。しかも、「職場の元上司と不倫している」というのです。
「慰謝料を支払う」と言われ、別れるつもりでしたが、私も少し意地になって、返事を先延ばしにしています。不謹慎ですが、元上司に抱かれていた妻が、前より色っぽく感じられ……。
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【山口先生のお答え】
おお、何ともアダルトな、フランス映画みたいなお悩み、ありがとうございます。そして、不倫を知った途端、妻が前より色っぽく感じられるというのも、まことに正直なお気持ちを伺えて嬉しいです。昔観たルキノ・ヴィスコンティ監督の映画『イノセント』を思い出しました。
さて、冷静にお考えになれば、妻から離婚を切り出される夫が少なくない中で、タニシさんはかなり恵まれていると思います。
まず、奥さんが離婚を望むのはタニシさんに愛想を尽かしたわけでなく、別の人を好きになったからで、あなたは悪くありません。そして、慰謝料を払うと仰っています。慰謝料を払って別れてくれる奥さんなんて滅多にいませんよ。良い奥さんに当たりましたね。
あなたが返事を渋る理由は、不倫されて男のプライドを傷つけられたことと、その結果、皮肉なことに奥さんが前より色っぽく感じられるようになったことですが、これはどちらもさっさと別れた方が良い結果を生むと思います。
不倫している奥さんと一緒に居ればプライドは更に傷つき、離婚を引き延ばして当初の新鮮味が薄れると、色気も失われます。ここは一つ、侠気を見せてさっさと離婚に応じておあげなさい。
そして離婚したら、今度は奥さんと不倫するのです。奥さんも、赤の他人になったあなたに新鮮味を感じて、その気になるかも。一度不倫に味をしめたら、なかなか止められないらしいですよ。
やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中