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【食堂のおばちゃんの人生相談】51歳・会社役員のお悩み

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2019.09.23 11:00 最終更新日:2019.09.23 11:00

「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!

 

【お悩み/匿名希望(51)会社役員】

 

 昨秋、娘の事故をきっかけに、妻が怪しげな占い師にハマり、玄関に邪気を払う石を置いたり、洗面台に大量の粗塩をまいたりし始め、高額なセミナーにも通いだした。家のことはずっと妻にまかせきりだったが、どうにも納得できない。

 

 


【山口先生のお答え】

 

 これは深刻なお悩みですね。よく聞くのは、夫が妻の信心(?)に反対して、家庭内が修羅場になるケースです。恋愛と宗教は、本人が頭に血が上っている間は、周囲がどんなに説得しても聞く耳を持たないんですね。

 

 だからお宅も、奥さんが占い師に頼るのを反対するのは、得策ではありません。むしろ火に油を注ぐ結果になる恐れがあります。

 

 それより、あなたも奥さんと一緒にその占い師の言うことを信じる “フリ” をしてみたら如何でしょう? 一緒に占いを聞き、セミナーにも出て、奥さんの気持ちにご自身の気持ちを添わせるのです。

 

 しばらくするうちに、奥さんの占い師を頼る気持ちは弱くなると思います。何故なら、奥さんが占い師を頼ったのは、寂しかったからです。家の問題で、他に頼れる人がいなかったからです。

 

 あなたが奥さんの気持ちをよく理解し、話を聞き、希望に添うように努力する姿を見せれば、奥さんの孤独は癒やされます。そうすれば、高額セミナーのアホらしさにも気が付くでしょう。

 

 今からでも遅くはありません。しっかりと奥さんの気持ちにより添って、頼るべきは占い師でなく夫だとわかってもらって下さい。

 


やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中

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