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吉田戦車、砥石に感動するも砥ぐのがめんどうで包丁ナマるライフ・マネー 2019.10.09

吉田戦車、砥石に感動するも砥ぐのがめんどうで包丁ナマる

 

 うちのメイン包丁は、妻の伊藤がずっと使ってきたもの。「正臣作」という銘と、刃渡り20cmというデータで検索したら、まだ売っていた。

 

 モリブデンバナジウム鋼の万能包丁。今の値段で1万800円。モリブデンバナジウム鋼というのは、ごく一般的なステンレスで、サビにくくお手入れしやすい、ということになってるようです。

 

 

 これが、ぜんぜん切れなかった。1万円もするものとはとても思えないほど、ナマクラだった。もちろん包丁のせいではなく、使用者のせいだ。

 

 立てた包丁を前後に押したり引いたりするタイプの砥ぎ器があったが、ほとんど砥いでいないようだった。というか、それで砥いでも、切れ味が戻る感じにはまったくならないほど、刃がなくなっていた。

 

 私が上京した時に買った、刃渡り14cmの安い小型包丁のほうがまだ切れ味がよいので、併用していたのだが、妻が「小さくて使いづらい」といい、そちらはお蔵入りとなった。

 

 やがて、私もその「切れなさ」に慣れ、数年たったのだが、2015年、私が飯炊きをする割合が増えつつあったころに、「やっぱり切れないよ、これ!」と、キレた。

 

 いや、うまいことを言いたいために「キレた」と書いたが、キレるというほどではなく、めんどくせーなーという感じで、砥ぎ器や砥石の検索開始。いわゆる包丁砥ぎ器は、どんなに高性能をアピールされても、うちの包丁にはムダっぽい気がしたので、砥石を調べてみる。

 

 一人暮らしの時は天然砥石を持っていた。あまり使わないままいつしか処分してしまったが。砥石はめんどくさいし、うまく砥げない、というトラウマのようなものはあったけれど、レビューで評判がいいセラミック砥石を買ってみた。

 

「シャプトン 刃の黒幕 オレンジ 中砥 #1000」3012円。「スーパートゲール」という、砥ぐ時に刃に角度をつける補助道具も買う。551円。どちらかといえば刃の黒幕より、スーパートゲールのネーミングのほうが好きだなあ、などと思いながら、砥いでみた。

 

 包丁と砥石がシャゴシャゴこすれ合う音や手ざわりは、何度やっても好きになれず、もっとマメに砥いだほうがいいのだろうが、頻度はだいたい一ヶ月おきぐらい。

 

 しかし、「黒幕」の性能はたいしたもので、うちのナマクラ包丁がそれなりに切れるようになったのは感動的だった。やがて「補助輪」だったスーパートゲールをはずし、それなしでうまく砥げる角度を、かなり真剣に、集中して覚えようと努め、スキルは上がってきた。

 

 というわけで、成功した買いものではあるが、あいかわらず砥ぐ行為はめんどうで、今もかなりナマってきている。「切れない時代」に、切れないなりの包丁テクニックを身につけてしまったので、つい先延ばしになってしまうのだった。


よしだせんしゃ
マンガ家 1963年生まれ 岩手県出身 「ビッグコミックオリジナル」で『出かけ親』を連載中。妻はマンガ家・伊藤理佐さん。本連載の単行本『ごめん買っちゃった』(光文社)、『出かけ親 1』、最新刊『忍風! 肉とめし 3』(ともに小学館)が発売中!

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