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【食堂のおばちゃんの人生相談】40歳・会社員のお悩み

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2019.12.16 11:00 最終更新日:2019.12.16 11:00

「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!

 

【お悩み/会費回避さん(40)会社員】
 お堅い企業に勤めています。忘年会や新年会で「今夜は無礼講ですから!」という人が信用できません。やらかして左遷された人が、山ほどいます。こういう枕詞を平気で使う人、どう思います?

 

 

【山口先生のお答え】
 バカで陰険で偽善者だと思いますよ。しかも自分がバカで陰険で偽善者だと気付いていないので、余計始末が悪いです。とにかく、あんまりお近づきにならないようにしましょうね。

 

 大体この世の中に「無礼講」とか「腹蔵のないご意見をどうぞ」とか、あるわけないじゃないですか。礼を失した振る舞いをしたら怒られるし、腹蔵のない意見なんか言ったら、大喧嘩になって絶交ですよ。

 

「本当のことだからしょうがないだろう」と言う人がいますが、これは逆です。「本当のことだから」言っちゃいけないんです。いくら本当のことだからって女性に向かって「ブスでデブで粗◯ン」と言って良いと思いますか? 男性に向かって「ハゲで包茎でしみったれ」と言って良いと思いますか?

 

 この世には、絶対に言ってはいけないことがあるんです。その中でも真実というのが、一番深く人を傷つけるんです。だから人間社会には「礼儀作法」とか「社交辞令」が生まれたんです。赤の他人同士が同じ場所で暮らしていくためには「洗練された嘘と態度」が必要なんですよ。

 

 それと、お酒を飲んで態度がデカくなるのは小心者の証拠です。酒に頼らないと言いたいことも言えないなんて、情けないですね。私なんか素面でいつも言いたいこと言ってるから、お酒飲んでも態度は変わりませんよ。たまに交番の前で寝ちゃいますけど。

 

やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中

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