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【食堂のおばちゃんの人生相談】38歳・会社員のお悩み

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2019.12.30 11:00 最終更新日:2019.12.30 11:00

「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!

 

【お悩み/オデッセイさん(38歳)会社員】
 妻がママ友にそそのかされ、小学3年生の娘をお受験させるつもりだ。塾や稽古事が増えて、娘の表情は冴えない。私は高校まで公立でいいと思っている。妻の “お受験やる気スイッチ” をオフにするにはどうすればいいですか。

 

 

【山口先生のお答え】
 私も高校まで公立だったので、オデッセイさんに賛成です。拙著『毒母ですが、なにか』にもお受験について詳しく書きましたが、お受験にハマる親というのは、ほとんどの場合 “身代わり欲求” にとらわれているのですね。

 

 自分の出来なかった何かを子供に実現させて、まるで自分も成功したかのような気分を味わいたいわけです。子供にとっては迷惑な話です。

 

 それにぶっちゃけ、公立に比べて、私立は非常にお金がかかります。入学金と授業料以外に寄付も求められるし、子供同士の付き合いもあります。お誕生会や習い事の発表会、軽井沢の別荘なんかに招待されたら、こちらもお返しに招待しないといけないし、大変ですよ。

 

 奥さんの “お受験スイッチ” を切る一番良い方法は、奥さん自身に “自己実現のチャンスが残っている” と気付いてもらうことです。つまり、奥さんに “自分磨き” に熱中してもらえばいいんです。

 

 まずはエステ・スポーツジム・習い事・カルチャーセンターなどなど、女性がハマりそうなことを勧めてみましょう。娘のお受験に使っていたお金を、奥さん自身のために使わせるのです。一度味をしめたら、もうアホらしくてお受験なんかやってられませんよ。

 

 その場合、日に日に美しく、あるいは教養が豊かになって行く奥さんの変化に必ず気付いて、褒めて下さい。嘘で結構。言うのはタダ。これでお宅は夫婦円満、家内安全間違いなしです。


やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中

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