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症状が出にくい膵臓ガンにも…「唾液一滴」で早期発見!
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.01.02 16:00 最終更新日:2020.01.02 16:00
日本人のガン検診の受診率は30~40%程度だという。受けたほうがいいのはわかっているが、大変そうだし、人間ドックだと費用も心配……。ところが今、一瞬で検査できて高精度、費用もわずかですむ最新技術が注目されている。
ガンの検査法には「〇〇一滴」を標榜するものが多い。これらは、「リキッド・バイオプシー」といい、内視鏡や針で腫瘍の組織を採取する従来の検査に比べ、患者の負担が小さいのが特長だ。
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ガン治療の専門医である、東京オンコロジーセンターの大場大医師はこう語る。
「リキッド・バイオプシーは、簡便でストレスも少なく、早期発見に繋がるケースはあるかもしれません。ただ、現状ではガン発見に注力しすぎて、ガンではない人を、誤って陽性(偽陽性)としてしまう問題は解決できていません。
さらに、仮にガンの有無は判定できたとしても、どこの臓器のガンかまではわかりません。ということは、検査で陽性とされると、医療機関であらためてイチから全部、さまざまな検査を受け直す必要があるのです。
さらに、治療の必要のないガンまで発見されてしまう、“過剰診断” にも繋がる可能性があります。したがって、広く普及させるためには、ちゃんとした臨床試験で評価すべきだと考えます」
リキッド・バイオプシーのなかで、「唾液一滴」でガンが検査できると注目されているのが、島津製作所やサリバテックなどが開発した、検査費用は3万円の「Saliva Checker」だ。
唾液の成分の大部分は血液由来のため、ガン細胞から分泌される代謝物も、唾液中に染み出す。検査には苦痛がなく、症状が出にくい「膵臓ガン」も早期発見できる可能性がある。
「一滴」には、命を救う可能性がある。近い将来、ガン検査のスタンダードになるのだろうか。
(週刊FLASH 2019年12月24日号)