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【食堂のおばちゃんの人生相談】36歳・会社員のお悩み

ライフ・マネー 投稿日:2020.01.06 11:00FLASH編集部

「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!

 

【お悩み/円周率さん(36歳)会社員】
 次の人事異動で、若手時代の上司が、部下になることが内定した。いろいろな上司のなかでも、温和でいい人だったので、気を遣ってしまってやりづらい。心構えを教えてください。

 

 

【山口先生のお答え】
 あなたは気持ちの優しい方ですね。もし私がその上司なら、元部下の下になるのなら、あなたのような上司の下に付きたいです。

 

 私はあなたの今の気持ち、つまり上司の人間性に好感を持ち、それなりの敬意を抱いているという状態は、とても良いと思いますよ。会社での立場上、あなたが年上の元上司に指図したり、時には注意したりという場面はあるでしょう。でも、そこにキチンと礼節が保たれていれば、何も問題はないはずです。

 

 官僚の世界ではキャリアとノンキャリアで完全に世界が違います。ベテランのノンキャリアの上司に、大学を出たてのキャリアが就任することも珍しくありません。

 

 立場は立場として、長年の経験を持つ人生の先輩に対する敬意があるかどうか。本人の自覚の有無は別として、キャリアもまたその人間力を問われるのです。

 

 そして、好意とか敬意というのは、自ずと現れます。ほんのちょっとした言葉や態度の端々から漏れるものなのです。だから、あなたが今のお気持ちを抱いていれば、それは元の上司にも伝わるはずです。その方は決してあなたを悪くは思わないでしょう。

 

 あなたはまだ36歳。人生これから色々あります。でも、どんなときも今の優しさと公平さを大切に、乗り越えて下さいね。


やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中

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