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【食堂のおばちゃんの人生相談】35歳・営業のお悩み
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.01.10 11:00 最終更新日:2020.01.10 11:00
「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!
【お悩み/HIHIさん(35)営業】
帰宅ラッシュの駅で、歩きながらスマホゲームをしていたら、電車とホームの隙間に落っこちて、あばら骨にヒビが入った。
後日、駅員に「お客様は幸運です。いちばん軽傷でした」と言われた。ひどい人は、あばらが6本も折れたとか。そんなに何人も落ちているなら、ホームの構造を変えるべきではないか。
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【山口先生のお答え】
何を寝ぼけたことを言ってるんですか? ホームから落っこちたのはホームの構造の問題じゃなくて、あなたが歩きスマホをやって不注意だったからでしょう。小学生でもわかる理屈ですよ。
10年くらい前のガラケー時代、駅で私の前を歩く女性が、階段を降りながらずっとメールをしていました。若い女性でハイヒールを履いていたので、危ないなあと思っていたら案の定、階段を踏み外して転倒してしまいました。
すぐに駅員が走り寄って助け起こしましたが、幸いにも骨に異常はなく、擦り傷だけですみました。でも、彼女はとても反省して、恥ずかしそうでしたよ。「階段の構造が悪い!」なんて言いませんでした。当たり前ですけどね。
悪いことは言いません。これに懲りて歩きスマホはよしましょう。町も駅も自宅も、実は危険が一杯なんです。若年層から老人層まで、骨折などを含む事故の7割は、自宅で起こっているそうです。
私くらいの年齢になると、家の中や道路のちょっとした段差に躓いて転びそうになります。以前、実際に転んで右足首を捻挫し、全治四カ月でした。勿論、酔っ払ってた私が悪いんですけど。
とにかく、不注意は大怪我の元。注意一秒怪我一生ですよ!
やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中