【食堂のおばちゃんの人生相談】40代・派遣社員のお悩み

「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える！

【お悩み／匿名希望（40代）派遣社員】
　40代のモテない独身です。出会い系を通じて知り合った30代女性が、リストカットを繰り返していたと知りました。自殺願望は、消えていないようです。彼女との交際を続けていくことに、不安を感じています。

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【山口先生のお答え】
　その通りです。とにかく一刻も早く別れた方が良いですよ。
　私の知人にうつ病の女性と結婚した人がいます。完治したという話でしたが結婚後すぐに再発し、7年後に深刻な自殺未遂事件を起こし、その8年後には「自殺する」という書き置きを残して失踪し、一週間後にウイークリーマンションで自殺死体で発見されました。

　知人は大変な愛妻家で、うつ病の彼女の介護のために長年の友人たちとの付き合いをやめ、兄姉とも疎遠になり、ほとんど人生の全てを奥さんのために捧げたと言って良いほど献身的に尽くしました。

　それなのに、知人のご両親が立て続けに亡くなった直後、奥さんは失踪して自殺したのです。知人はうつを発症しました。人生の全てを奥さんに奪い去られたようなものでしたから、当然でしょう。しかし、奥さんを責めるわけにもいきません。奥さんが悪いのではなく、病気が悪いのですから。

　結婚相手は人生の伴侶です。それならお互いの釣り合いが取れることが大切です。

　それと、これは私の持論ですが、出会いには場所が大切です。遊ぶ場所で知り合った人とは遊びで、仕事の場で出会った人とは、仕事上の付き合いで終わってしまいがちです。

　だからもしあなたが結婚を望んでおいでなら、結婚相談所とか婚活パーティとか、真剣に結婚を考えている人たちの集まりに参加なさるのが一番近道だと思います。

やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合（東京都千代田区）の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』（徳間書店）が発売中