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【食堂のおばちゃんの人生相談】50歳・公務員のお悩み

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.02.10 11:00 最終更新日:2020.02.10 11:00

「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!

 

【お悩み/チキン王さん(50歳)公務員

 

「モテない歴」四半世紀、ひとり、立ち飲み屋で呑んでいたら、酔っ払った20代美女に「仕事で大きな失敗をしたうえに、親友に婚約者を寝取られた。人生最悪の気分だ」と嘆かれた。私が以前の職場の優しい上司に似ているそうで、LINE交換して「また、どこかで!」と去っていった。

 

 

 あれから1カ月、彼女からは音沙汰なし。私から連絡してもいいですか?

 

【山口先生のお答え】

 

 およしなさい。彼女が何故、友人ではなく、見ず知らずのあなたに自分の不幸を打ち明けたと思いますか? それはあなたが “見ず知らず” だったからです。

 

 自分の人生と何の関係もない人だと思えばこそ、恥をさらしたのです。これからも顔を合わせる可能性があれば、絶対に告白しなかったでしょう。

 

 つまり、あなたは犬がオシッコ引っかける電信柱、「王様の耳はロバの耳!」と叫ぶために掘った穴ボコと同じ存在だったのです。それなのに電信柱や穴ボコが追いかけてきたら、大迷惑でしょう。彼女は 「一夜限り」「その場限り」のつもりなんですよ。

 

 でも、私はあなたが大好きです。男女を問わず、人間には誰か、電信柱や穴ボコの代わりになれる存在が必要です。人間誰しも、時には思いっきり愚痴って嘆いて胸のつかえを吐き出したいんです。それでやっと気持ちを切り替えて立ち直れることって、あるんです。それを許してくれる人を求めてるんです。

 

 モテないなんて諦めないでください。あなたの優しさと寛大さがどれほど尊いか、そこに気のつく女性は、絶対にいます!

 

やまぐちえいこ

 

1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中

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