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メタボは病気ではない「BMI25以上」は死亡率が低かった
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.02.13 16:00 最終更新日:2020.02.13 16:00
「健康診断の数値に、とらわれる必要はありません」
東海大学名誉教授の大櫛陽一氏は、そう断言する。
「そもそも、日本の健康診断や人間ドックの基準は、世界的に見ても厳しすぎます。その結果、本来は健康な人まで “病人” とされ、無駄な投薬や治療を受けさせられているのです」(大櫛氏、以下同)
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大櫛氏は2004年、全国約70万人の健康診断結果から、男女別・年齢別の “正しい基準範囲” を独自に割り出した。その後も、現在まで追跡調査をおこない、多くのデータから、日本の健康診断の基準が、いかに非常識かを明らかにした。
たとえば、メタボの指標となるBMI。体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で計算され、日本肥満学会が定めた肥満の基準値は「25以上」。だが国際的には、「30以上」が常識だという。
「そもそも欧米では、『メタボは病気ではない』と定義されています。運動や食事によって、数値がどう改善するかという “生活習慣の目安” なんです。
ところが日本では、メタボ健診で引っかかると病院に行き、薬を処方される。むしろ、その薬によって死亡率が上がってしまうのです」
欧米の基準であるBMI30以上なら、日本で肥満とされる人は2.6%にすぎない。しかし、25以上としたために23.7%と、10倍近くも “水増し” されているのだ。
「しかも、調査ではBMI25以上の小太りの人が、いちばん長生きしているのです」
神奈川県伊勢原市の2万2099人を追跡調査した結果、もっとも死亡率が低かったのは、男女とも基準超えのBMI25~26.9。逆に死亡率が高かったのは、18.4以下の痩せすぎグループだった。
【BMIの正しい基準範囲】※現行基準/25以上で異常
・40~44歳/18.1~28.7
・45~49歳/18.3~28.8
・50~54歳/18.4~28.6
・55~59歳/18.5~28.3
・60~64歳/18.6~28.2
・65~69歳/18.5~28.5
おおぐしよういち
1947年生まれ 大阪府出身 「大櫛医学情報研究所」所長 2004年、日本総合健康健診医学会シンポジウムで、今回紹介した日本初の男女別・年齢別基準範囲を発表
※本文中の調査結果は、大櫛氏による
※年齢別の数値は、大櫛陽一著『健康診断「本当の基準値」完全版ハンドブック』(宝島社)より
(週刊FLASH 2020年2月4日号)