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【食堂のおばちゃんの人生相談】47歳・会社経営者のお悩み
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.02.24 11:00 最終更新日:2020.02.24 11:00
「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!
【お悩み/ああ無情さん(47)会社経営】
先日面接した若い男性は、遅刻したうえに、とんちんかんな志望動機を述べて、話にならない。最後に「面接態度に問題がある」と注意すると「最初から俺を採用する気がない!」と逆ギレし、「就活生に対する冷酷な仕打ちをSNSに書き込んでやる!」と捨て台詞。
SNS対策の必要性は感じるが、このやりきれなさをなんとかしたい。
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【山口先生のお答え】
面接に遅刻する段階で、その男性は失格です。逆ギレも脅迫めいた言動も、面接に遅刻するようなアホタレなら当然かも知れません。
でも、あなたのお悩みの原因はそんなことではありません。狂犬にいきなり手を噛まれてしまったこと、そして反撃する間もなく、その狂犬に逃げられたことです。もっと簡単に言うと、イタチに最後っ屁を噛まされたことです。
人間、どんな深手を負わされても、一矢報いることが出来れば、回復できます。立ち直れます。でも、やられっぱなしだったという記憶には屈辱感がこびりついて、なかなか払拭できないのです。
まずはその屈辱に満ちた記憶を吐き出しましょう。言葉に出しても良いし、文章にしてもOKです。そのアホタレの暗い将来、敗北の人生を思い描いて罵ってください。呪文を唱えるように。
そして、思いっきり吐き出したら、楽しいことをしてください。仲の良い友達、奥さん、恋人、元カノ、誰でも結構。そういう人と一緒に美味しい物を食べ、美味しいお酒を飲み、楽しい時間を過ごしてください。…………ね、こう考えると、楽しくなりません?
やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中