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『江戸前の旬』原作者が語る「寿司屋の店主をどう呼ぶか?」

ライフ・マネー 投稿日:2020.03.23 16:00FLASH編集部

『江戸前の旬』原作者が語る「寿司屋の店主をどう呼ぶか?」

 

 マンガ雑誌『週刊漫画ゴラク』(日本文芸社)で、1999年から今も連載が続く、“老舗” の寿司漫画『江戸前の旬』。寿司の具である “タネ” のエピソードを中心に、すでに100巻が発売されている。原作者の九十九森先生が、「寿司ウンチク」を存分に語ってくれた。

 

 

 

「結局のところ、寿司屋に行くのは『店主との会話を楽しむため』です。ここで問題になるのが、寿司屋でのマナーでしょう。

 

 絶対に守っていただきたいのが、まずお店に入ったら、『どこに座っていいですか?』と、お店の意向を聞くこと。常連さんの席が決まっているお店も多いので、席が空いているからといって勝手に座るのは、言語道断です。

 

 次の問題は、『親方と呼ぶか、大将と呼ぶか』ということ。東京でもけっこう『大将』と呼びますが、じつはこれ、大阪の言い方です。本当は東京では、『親方』なんですよ。

 

 たまにテル(作画のさとう輝先生)が、作中で東京の寿司店でも『大将』って描いてしまう。たとえば先日も、(主人公のライバル・吉沢)大吾のところを『大将』って描いてあって、『うわ〜』と思いましたけど、『あ、大吾は京都で修行してたからいっか』って(笑)。

 

 京都では、女将さんも主人のことを『大将』と呼んでいるのをよく見かけます。名古屋もおそらく『大将』で、『親方』は東京だけでしょうね」

 

 呼び方がわかったら、次は「親方と仲良くするためにどうするか」が問題だ。

 

「大切なのは、『とりあえず魚の名前と味はわかっておく』ことです。常連さんには、“いいところ” が出されますが、一見さんが行って『おまかせ』で頼むと、何を出されるかわからない。親切なお店だったらいいのですが、正直そうではない場合もあります。

 

 一方、“知ったかぶり” も嫌がられて、変なところを出されます。このバランスは、非常に難しいんですけどね……。親方たちに聞くと、『あ、ちょっと詳しいな』と思わせるのが一番いいと言うのですが。

 

 だからたとえば、旬のタネを覚えて行って、それを頼んでみるのがいいかもしれません。あとは逆に、『いま旬のものは何ですか?』と聞いてみてもいい。『おすすめ』ではなくて、『旬のもの』を聞くのがポイントです」

 

 何を話すかがわかっても、カウンターの寿司店は、「静かなところが多く、しゃべりにくい」というイメージがある。

 

「銀座の高級店は、たしかに静かですね。ただ私自身は、そういう空気が苦手。静かな理由のひとつとして、『一流店は店主が頑固』というイメージから、お客さんが話しかけにくいということがあると思います。

 

 ただ、『頑固だ』と言われている職人さんは、だいたいそうでもないですよ(笑)。寿司ではないですが、取材でお世話になっている『てんぷら 近藤』の近藤(文夫)さんや、『みかわ 是山居』の早乙女(哲哉)さんなど、一流の人はよくしゃべります。客の質問に答えるのに夢中で、揚げる時間を間違えることもあるぐらい。

 

 それから、京料理出身の日本料理店『はし本』(東京・日本橋)の親方もよくしゃべります。調理方法なんかを、よく教えてくれる。でも、雑誌の取材は一切受けないし、ミシュランには『載せてくれるな』と言っています。京料理では、そういう姿勢が当たり前なんですって」

 

 それは、京都と東京の料理界にある、大きな違いが関係していた。

 

「東京は席が空いている限り、予約を入れますよね。京都では、損を覚悟で必ず2〜3席を常連のために残す。観光客でいっぱいになって、常連さんがふらっと来たときに入れなかったら気分が悪いから、という考え方なんです。

 

 ちなみに京都は、お客が店を出るとき、ご主人と女将さんが角を曲がるまで見送るのが通例。『はし本』の親方はじめ、東京でも『吉兆』出身の方がやっているお店はそうですね。

 

 お店の前が長い1本道だったりすると、あちらも大変ですし、こちらも申し訳なくて(笑)。ただ、どんなに忙しくても必ずやる、と徹底されています。客側も、曲がるときに必ず、振り向いてお辞儀しなければいけません。そういう “信頼関係” で成り立っている」

 

 では実際に、「頑固で無口な江戸前寿司の店主」に出会ってしまったら、どうすればいいのか。

 

「しゃべらないのは、頑固だからじゃなくて、口ベタなだけ。高級な寿司屋も接客業ですから、本来的には向いていないんです。そういうお店には、よくしゃべる女将さんがいないとダメ。そうじゃない場合は、ビビらずに堂々としていましょう(笑)。

 

 ちなみに、昔はカウンター席とテーブル席で、出すタネが違ったそうです。カウンターは “常連のもの” で、勘定も高かった。いまは、そういうお店を聞きませんが、それぐらいカウンターが重視されていたんです」

 

 カウンターには、流儀がある。

 

「お寿司を美味しく食べるという意味でも、親方やほかのお客さんとの会話を楽しむという意味でも、カウンターのお寿司屋さんには、少人数で行ったほうがいいでしょう。

 

 以前、銀座の高級店『やまだ』に行ったときに、会社仲間5〜6人で来た団体がいました。カウンターなのに、内輪で会社の話ばかりして、出された寿司をつまむだけ。親方も、ただただ無言で握っていました。店内が殺伐としていて、『あんたら何しに来たんだ』と。

 

 彼らが帰ったあとに、親方がこぼしていました。『いいんです、あれで』と。あきらめの境地だったんでしょうね。もちろん場を理解して会話を楽しむお客さんもいますが、残念ながらそういう人たちも多いようです」

 


つくもしん
青森県出身 漫画原作者 作画担当のさとう輝先生とコンビで週刊漫画ゴラクで連載中『銀座「柳寿司」三代目 江戸前の旬』、スピンオフ作品の『寿司魂』『旬と大吾』『ウオバカ!!!』などを執筆。メディアへの出演は、連載20年で「ほとんどない」そう

 

(C)九十九森/さとう輝・日本文芸社

 

※ドラマ『江戸前の旬season2』(BSテレ東)のDVDBOXが、「テレ東本舗。WEB」で予約可

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