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【食堂のおばちゃんの人生相談】38歳・会社員のお悩み

ライフ・マネー 投稿日:2020.03.30 11:00FLASH編集部

「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!

 

【お悩み/霧ヶ峰さん(38)会社員】
 前任者の異動で、大口顧客を担当することになった。会社にとっては大切な客だが、ワガママで尊大で生理的に耐え難い。じつは、前任者も耐えきれずに異動を願い出た。

 

 それでも、他社に乗り換えられたら責任問題だし、まさに、出世できるかどうかの “正念場”。どのようにつき合っていけばいいのでしょうか。

 

 

【山口先生のお答え】
 本当に深刻な状況ですね。ただこの社会で生活している以上、誰もが苦手な人間との付き合いから逃れることは出来ません。自由業である小説家も俳優も音楽家も、超のつく売れっ子でない限り、苦手な人とも折り合っていかないと仕事にならないのです。

 

 あなたがどれほどストレスを感じているかはよくわかります。でも、相手が顧客であったことにせめてもの救いを見いだして下さい。

 

 これが会社の上司だったら、毎日顔を合わせないといけないんですよ。でも、顧客なら毎日会わなくてもすむでしょう? 一週間に一度、一回2時間として、残りの時間はそいつの顔を見ないでいられるんです。「あ~、良かった」と思いましょう。

 

 それと、大事なことは、言葉には “言霊” が宿るということです。人前で絶対にその人の悪口を言ってはいけません。悪く言うと、どんどん嫌いになり、ますます苦手になっていきます。

 

 そして、嘘でいいから言葉に出してその人を褒めましょう。「ああ見えて意外と優しいところがある」「結構大らかだ」「人を見る目がある」、何でもいいんです。言葉に出して自分に言い聞かせて下さい。そうするうちに、少しずつ嫌悪感が薄らいでいきます。

 

 もし、回り回ってあなたの(嘘の)褒め言葉が相手の耳に入ったら、あなたに好意を抱くはずです。そうしたら後は楽勝ですよ。

 

 最後に、宝くじを買いましょう。何億円か当たったら、そんな会社辞めちゃえば良いんです。幸運を祈ってますよ!

 


やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中

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