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先人たちの「セカンドキャリア成功談」65歳でネイルサロン開業
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.03.31 16:00 最終更新日:2020.03.31 16:00
「人生100年時代は楽しい!」……ばかりではない。定年後も、“自分たちの生活費を、自分たちで稼がなければならない” 世の中になっているのだ。せっかくだから、再雇用などといわず、「第2の人生」に踏み出したい……。いち早く、そんな道に踏み出した先輩に、成功のコツを聞いた!
「当時は、代休や有給休暇なんて考えはなし。朝から晩まで365日、ドリンク剤を飲みながら動き回っていました。夜は夜で毎晩、深夜まで酒を飲んではタクシー帰り。
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でも、楽しかったです。やればやるほど業績が上がるし、給料も増えていきましたから」
“モーレツ” な営業マン時代を振り返るのは、ネイルサロン「クインテット・ネイル」を経営する、滝克洋さん(72)だ。大手情報通信会社に38年間勤務し、60歳で定年退職したときには、長年にわたって酷使した体はボロボロになっていた。
「典型的なメタボ体型。健康診断で脂肪肝も指摘されました。嘱託で会社に残る道もありましたが、体が限界でした」(滝さん、以下同)
退職してからは、ランニングなどで体のメンテナンスに精を出し、健康第一の生活を心がけた。地元である千葉県鎌ケ谷市の梨農家で、援農ボランティアも経験した。
「楽しかったんですが、暇で……(笑)。次第に、『何か商売でも始めてみようか』と考えるようになったんです。退職金と、田舎の家を売った資金があったのも、ラッキーでした」
そして退職から5年後の2012年、「クインテット・ネイル」を起業。過去のキャリアとは畑違いの世界への挑戦だが、リサーチの結果だった。
「女性相手のビジネスは、好不況に左右されにくいですが、美容院は飽和状態で、エステサロンも乱立しています。『ネイルサロンなら伸びる余地がある』と考えました」
2013年2月、東京都渋谷区に1号店をオープン。現在、都内に2店舗を構え、近い将来、5店舗にするのが目標だ。リスクのある「起業」という選択肢を、なぜ選んだのか。
「かつては会社の看板を背負っていましたが、『会社を離れ、個人として自分がどれだけのことができるのか、それを試したい』と思ったんです」
だが、実際に起業してみてわかったのは、会社員時代の “遺産” の大きさだった。
「経歴に『〇〇社に38年在籍』と書くだけで、融資が通りやすくなるんです」
信用力だけではない。サラリーマン時代の経験が、いまの経営におおいに生きている。そもそもネイルサロン経営を決断した「リサーチ」のノウハウも、会社員時代に身につけたものだった。
「つねに問題意識を持つこと。根回しし、配慮すること。失敗を恐れぬチャレンジ精神……。どれも、会社員時代の経験から得たものなんです」
(週刊FLASH 2020年3月24日号)