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ガン医療費、高額療養費制度で驚くほど減額
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.04.03 11:00 最終更新日:2020.04.03 11:00
1年で3500万円――。2016年、“夢のガン治療薬” こと「オプジーボ」の、超高額な薬価が話題になった(価格は当時)。長期化、高額化するガン治療だが、患者の負担はその一部だ。
そこで本誌は、国立がん研究センター中央病院の事例から、実際にかかるコストを調べた。
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「ガン治療は高額になりますが、『高額療養費制度』を利用すれば、負担を減らすことができます」(国立がん研究センター中央病院・宮田佳代子さん、以下同)
「高額療養費制度」とは、医療機関や薬局で支払った金額が、暦月(月初めから終わりまで)で一定額を超えた場合、払い戻しされる制度。自分が加入している健康保険の窓口に申請し、「限度額適用認定証」を発行してもらい、病院の窓口に提出すれば手続き完了だ。
高額療養費制度の自己負担額は、年齢や年収によって異なる。たとえば、50代、年収500万円の場合、手術代に100万円かかったとしても、自己負担額8万7430円ですむ。以下に、その試算を示す。
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【高額療養費制度】
《条件》
―年収が約370万円~770万円(標準報酬月額28万~53万円未満)
―年齢が70歳未満
・1カ月あたりの自己負担上限額:8万100円+(医療費-26万7000円)×1%
《自己負担額の試算例》
・医療費:100万円
・窓口負担:30万円
・1カ月あたりの自己負担額:8万100円+(100万円-26万7000円)×1%=8万7430円
→いったん払った窓口負担30万円のうち、21万2570円が払い戻される!
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だが、ガンが進行していたら、さらに抗ガン剤治療が必要になる。
「抗ガン剤の薬は、1錠5万円近いものもあり、1回の点滴投与で130万円(10割負担)になるケースもあります。治療は継続しなければいけないので、高額療養費制度を利用しても、毎月、10万円弱かかることになります。