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200万円で買った都内の古民家に「囲炉裏」を作ったぜ!

ライフFLASH編集部
記事投稿日:2016.10.09 20:00 最終更新日:2016.10.09 23:12

200万円で買った都内の古民家に「囲炉裏」を作ったぜ!

囲炉裏の幸せ感、最高!

 

 200万円で都内に古民家を購入。前回は、ようやく完成した五右衛門風呂に浸かって、しばしご満悦。しかし、山は夜になると気温が下がるので、湯冷めしそうだ。ということで、今回は「囲炉裏大作戦」を敢行することにした。

 

 まず始めにしなければならない作業は、壁と天井の新建材を撤去することだ。バールでベニヤをバリバリ引っぱがしてみると予想通り、真っ黒に煤けた柱や、古い板張りの天井が顔を出した。

 

壁と天井の新建材をすべて撤去

壁と天井の新建材をすべて撤去

 

 同時に、ものすごいホコリが舞い上がる。板の隙間はカメムシが何十匹も張り付いている。よくわからない虫の死骸が落っこちてくる。飛んできた板材がアタマに激突する。釘を踏み抜く……阿鼻叫喚である。

 

「うわっ! なんじゃこりゃあ!?!」

 

 そこで目にしたのは……はがれたベニヤの隙間から丸見えになっている、裏の石垣であった。つまりベニヤ板一枚の外側は、文字通り「外」だったのだ。どうやらかつて戸口だったところを、ベニヤの薄板でふさいだものらしい。どうりで寒いわけだ。

 

「仕方ないから適当な板でも張りつけておくか」

 

 実は人力山荘の居間には「掘りゴタツ」がしつらえてある。かつては囲炉裏だったものだろう。今回は、これを復活させようという魂胆なのである。

 

 ところで囲炉裏といえば、なにはともあれ「自在鉤」。これがないと話にならない。立川の骨董品店には、ありとあらゆる古民具が並んでいた。

 

 自在鉤もいくつかあった。お値段は一万円以上の高級品から4000~5000円まで。さて、どれにしようか。やはり「サカナ」(「木鯛(きだい)」というらしい)が一番、立派なヤツだろう。というわけで自在鉤をお買い上げ。さらに銅製の、いい具合にクタビレタ鉄瓶と五徳のセットを購入。ついでにタダ同然で木灰もいただいた。

 

ゲットした自在鉤

ゲットした自在鉤

 

 材料が揃ったところで、掘りゴタツをひっくり返してみる。内側はコンクリで固めてあり、このままでも使えるが、掃除などを考えるとトタン板で内張りした方がよさそうだ。

 

 そこでガルバリウム鋼板を買ってきて、炉の大きさにあわせて組み立てることにした。炉の寸法より2cm小さく設計して、要所に穴を開け、ボルトで留めて一応、完成である。

 

ガルバリウム鋼板を加工中

ガルバリウム鋼板を加工中

 

 さて、はめ込んでみるか。

 

中山「……入るといいなあ」

 

 そしてハメ込んでみると、案の定、入らないのである。炉の寸法は77cm四方だ。内張は75cmなので入らないハズがない。おかしいなあ……タテヨコ変えてみるか。そしてもう一度入れ直すと……。

 

「……あ、入った」

 

 なんとすっぽりと収まったのであった。おそらく炉の大きさが正方形じゃなかったに違いない。

 

 さて、この中に木灰を流し込むわけだが、ウチで出た灰と骨董品店にもらったのを加えても、ぜんぜん足りないのだ。そこで「かさ上げ」する必要がある。ネット情報では園芸用の軽石を敷いて、その上に灰を載せるといいらしい。ということで、まず軽石を流し込んだ。

 

軽石を流し込んでかさ上げ

軽石を流し込んでかさ上げ

 

 そして次に、フルイをかけてゴミを取り除いた木灰を入れていく。これで七分目くらいまでカサが上がった。灰を均して五徳と鉄瓶を載せ、火ばしを差し込んでみる。

 

 おお。囲炉裏だ。「マンガ日本昔話」だ。

 

 しかしまだ足りないものがある。そう。自在鉤だ。これを設置するには、天井に穴を開けて梁から吊す必要がある。そこでドリルで天井板に穴を開けクサリを梁に渡す。そして自在鉤にもクサリを通す……んだが、なかなか通らない。悪戦苦闘しているうちに、「バキッ」という音が。

 

「ああっ! 折れた!」

 

 なんと自在鉤の、木製の「鉤」の部分が折れてしまったのだ。なんということだ。

 

「4000円もしたのに……(涙)」

 

 まあ、ナベは五徳に載せるしかあるまい。自在鉤は飾りってことで我慢するしかない。

 

錆びたナベも……

錆びたナベも……

磨けばこんなにきれいに!なんだか得した気分

磨けばこんなにきれいに!なんだか得した気分


 
 最後に「炉縁」(ろふち)づくりだ。「炉縁」とは、囲炉裏の四辺を囲っている板材のこと。ホームセンターで見つけたスギの一枚板を四枚に切り出し、炉の四方を囲うことにした。

 

 炉縁の木材は、炭火の熱でソリやネジレが発生しやすいので、本来、ケヤキなどの硬い材木を使うんだが、予算の関係でスギになった。

 

手に入れたスギを加工することに

手に入れたスギを加工することに

 

 本当は建具師なみの、非常に緻密な大工仕事が必要なんだが、まあそのへんは高さだけ揃えて並べるだけの「なんちゃって炉縁」にすることにした。

 

 4枚に切り出した板材に、炉縁に合わせて切りこみを入れる。そしてカンナがけ。さらにサンダで仕上げ、その上に天然防腐剤の「柿渋」を塗り込む。柿渋はギンナンのニオイに似て、少々クサイが、板が赤味を帯びた独特の風合いになった。

 

 これを囲炉裏端に並べてみる。細工がマズイせいで段差ができてしまい、ピッタリとはいかないが、遠くから見ると、それなりの貫禄である。

 

貫禄のある囲炉裏に

貫禄のある囲炉裏に

 

 最後にスポットライトを設置して、電気をつけると……。

 

「おお! すばらしい! 見違えるようだ! カッコイイ!」

 

 こうして「囲炉裏大作戦」は大団円のうちに終わったのであった。

 

囲炉裏が貫禄あるが、まだ裸電球なのが残念

囲炉裏は貫禄あるが、まだ裸電球なのが残念

 

【今月かかったお金】

 今回は懸案だった電動カンナを購入。炉縁用の材木には、ケヤキやタモなどの堅材がよかったんだが、一枚一万円以上もして手が出なかった。

ガルバリウム鋼板×2   2600円
自在鉤         4000円
銅製瓶         3000円
五徳          500円
木灰          500円
軽石60リットル     2400円
炉縁用スギ材      5000円
柿渋(天然防腐液)   1200円
ゴザ          1400円
電動カンナ       7800円
スポットライト     8000円

合計          36400円

 

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