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交番行ってもダメで…歌舞伎町51万円「ぼったくり」キャバクラの手口

ライフFLASH編集部
記事投稿日:2015.03.04 06:00 最終更新日:2017.10.07 18:22

朝5時にキャバクラに入店し、正午まで寝込んだ客に対し、請求した金額は51万円。払えないと言った客は、腹を殴られ、「カネ払わなかったら帰れるわけねえだろ。うちで働いて返すしかねえ」との脅迫を受けた。

 

都のぼったくり防止条例違反などの疑いで逮捕されたのは、新宿区歌舞伎町のキャバクラ「クラブ セノーテ」の責任者(25)ら5人。男性客はトイレ掃除や客引きをさせられ、勤務先の居酒屋チェーンの寮から「セノーテ」の従業員寮に自分の荷物を運ばされた。「逃げたら殺す」と脅された男性は、富士の樹海を目指し、静岡県御殿場市の山中で行き倒れていたところを発見された。

 

「私が店に入ったときも、動きがぎこちなく、怯えた様子の従業員がいた。女のコにも『あの新人、超使えない』と言われていました。強制的に働かされていた客だったのかもしれません」

 

そう語るのは、このクラブで手酷い目に遭った会社員の尾原友也さん(25・仮名)だ。1月11日の午後11時ごろ。尾原さんは深夜0時に友人と会う約束があり、少し時間を潰そうと「おっパブ(おっぱいパブ)、1時間コミコミで5000円」という客引きの声に足を止めた。

 

迷っている尾原さんに、客引きは「僕も自腹を切りますよ」と、自分の財布から千円札を取り出した。熱心さに負けた尾原さんが案内された地下2階の店が、「クラブ セノーテ」だ。ここで客引きから店のボーイにバトンタッチした。「扉の前に料金表が貼ってあったのですが、ボーイがそれを隠すように立っていて、確認できなかった」と尾原さんは振り返る。

 

店内は自分の足元さえ見えないほど薄暗いが、気配から察するに、ほぼ満席のようだ。尾原さんについた女のコはさっそく「ドリンク1杯1000円なんだけど、頼んでい〜い?」と言った。1杯くらいなら、と了解したものの、女のコのもとには注文したビールのほか、5〜6杯のシャンパングラスも届いた。最終的に、女性の前には13個のシャンパングラスが並んだ。

 

入店から50分。会計をお願いした尾原さんに、ボーイから伝票が手渡された。1万1000円か。ちょっと高いな……そう思いつつ料金を渡すと、ボーイは驚くべきことに「お客さん、ひと桁違いますよ」と言う。

 

よく見ると、料金は11万2970円。尾原さんは当然文句を言った。すると、奥から若い男が出てきた。顔色ひとつ変えず、関西弁で「お兄さん、警察行く?」と話すこの男こそ、今回逮捕された西山明容疑者(23)に間違いないと尾原さん。

 

並んで向かった先は、「警察24時」でお馴染みの歌舞伎町交番ではなく、小さなバーが立ち並ぶゴールデン街の外れにある交番。歩きながら、西山容疑者は法律上支払い義務があることを冷静に説明してくる。そして、交番が近づくと西山容疑者は歩く速度を速め、ひと足早く「料金トラブルでーす」と交番に入った。

 

伝票を見せながら、手慣れた口調で事情を話す西山容疑者の前に、警察官は「明確な恐喝行為がないかぎり、我々は介入できない」というばかりだった。結局、支払ったのは端数を切り捨てた11万円。

 

「報道によると、今回トラブルが表面化するまで、51件もの被害報告があったそうです。しかし、警察は黙殺し、何の対策も取らなかった」(尾原さん)

 

2月25日にも、同じ歌舞伎町で40分15万円を請求したキャバクラ経営者と少年が逮捕されている。3月は送別会などで酒を飲む機会も多いが、客引きのペースには絶対にのまれてはならない。

 

(週刊FLASH 2015年3月17日号)

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