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吐く息で肺ガンの可能性がキャッチできる新検査法
ライフFLASH編集部
記事投稿日:2016.03.16 21:00 最終更新日:2016.03.16 21:00
「呼気(吐く息)で肺ガンが早期発見できる」という画期的な検査機器の研究開発をしているのが、国立研究開発法人産業技術総合研究所とフィガロ技研株式会社である。
「初期の肺ガンはレントゲン撮影では発見できないことがあり、発見されたときはすでに進行していることも多い。そのため呼気から『肺ガンの可能性がある成分』を検出して、精密検査の受診を促す機器の開発に着手しました」
と産業技術総合研究所の申ウソク氏。
人の呼気の主成分は二酸化炭素や消費されずに残った酸素、水蒸気などだが、それ以外にも100種類以上のガスが含まれている。
申氏らは、まず愛知県がんセンターと肺ガン患者107人と健常者29人の協力を得て、ガン切除手術の前後で呼気の成分がどのように変化したのかを分析。肺ガンに特有の11種類のマーカー (目印)物質を突き止めた。
これまでも呼気による診断はおこなわれていたが、それには高価な分析装置が必要で、また専門家による判定が必須だった。それを「卓上・携帯型で誰にでも操作できるようにしよう」と いうのが開発の趣旨だったという。
「現在は約80%以上の精度で検知が可能になり、臨床試験と改良を進めています」(申氏)
呼気検査は検体採取などと違い、体に負担がかからない簡便な方法でもある。実用化の目標は来年。近い将来、健康診断などで手軽に肺ガン検診ができるようになるかもしれない。
(週刊FLASH 2016年2月9日号)