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【ガン検査最前線】恥ずかしくなく痛くない「カプセル内視鏡」
ライフFLASH編集部
記事投稿日:2016.03.25 12:00 最終更新日:2016.03.25 12:00
ガンの部位別死亡者数を国内で見ると、大腸ガンは女性の1位、男性では3位を占めている。だが、早い段階で発見できれば、治癒率は100%近い。
紹介するのは、近年実用化され、急スピードで進化を続ける「カプセル内視鏡」検査だ。
超小型カメラを内蔵したカプセルを薬のように口から飲み込む。カプセルは無線で大腸の画像データを送信し、検査中に身につけている外部装置(携帯型レコーダー)に記録される。カプセルは使い捨て。検査後は便とともに体外へ排出される。
東京・新宿区の診療所のなかでもっとも早く、2014年1月に大腸用カプセル内視鏡を導入したのが「西新宿きさらぎクリニック」(石川尚之院長)。
院長・副院長ともに消化器内科出身でこの分野には力を注いできた。院内に「内視鏡センター」を構えている。
検査の準備は前日から。検査食もしくは軽めの食事を取り、当日は下剤を便の状態に合わせて約1.5リットルほど飲む。
「この前処置は通常の大腸内視鏡検査と同じです。カプセル内視鏡は『飲むだけ』。この利便性が大きなメリットです」(増渕光事務長)
精度は従来の内視鏡に分があるが、利便性はカプセルが圧倒的だ。
「どちらを選ぶかは検査を受ける方のご判断次第です」(同)
「恥ずかしい」「怖い」「痛い」などの理由で今まで大腸内視鏡検査に踏み切れなかった人には有力な選択肢だ。
撮影時間には個人差がある。3時間から10時間ほど。平均5~6時間だ。
このクリニックでは自費の場合、費用は11万8800円(税込み)。これには診察料や下剤、腸管洗浄剤費用などが含まれる。
腹痛や手術後の癒着などで通常の内視鏡検査ができない場合のみ保険適用となる。カプセル内視鏡を受診するのは40~50代が中心だという。
(週刊FLASH 2016年2月9日号)