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株売却する議員続出…「安倍バブル」株で儲けた議員、損した議員
マネーFLASH編集部
記事投稿日:2015.06.18 11:00 最終更新日:2018.02.17 22:22
「そろそろ高値圏かなという気がします。今週、来週にかけて高値をつけられなかったら、9月にかけて1万9000円くらいまでダラダラ下がっていくと思います」(SBI証券・藤本誠之氏)
4月10日、15年ぶりに2万円を突破して以降、なんとか大台をキープしている日経平均。アベノミクスで総じて右肩上がりだった株価も、頭打ち感が広がってきたようだ。
そんな5月25日、衆議院議員475名の’14年12月時点の資産が公開された。2年に1度の恒例行事で、前回の資産公開はちょうど第2次安倍政権が始まった’12年の12月。この2つの報告書を比較すると、これまでの株価上昇に乗じて、議員たちが株式を売却したことがまるわかりなのだ。
33人が株を売り、うち14人がすべての株を手放していた(海外株、未上場株を除く)。目立つのは自民党所属の議員で、のべ27人、およそ8割を占めている。
売却で手にした金額がダントツだったのは、約17億円売りの鳩山邦夫議員。学研HDなどのほか、’13年にブリジストン創業者の長女だった母がなくなり、莫大な遺産を相続した。相続税を納めるため、受け継いだブリジストン株や保有株を大量に売却したためだ。
もっとも、儲かっているわけではないようで、「証券会社から売るようにアドバイスされたと思いますが、ずいぶん損したと聞いています。それでも売却額が多い?鳩山からしたら、たいした額じゃないでしょう」と秘書は手慣れたもの。
話題の議員では、憲法審査会で「集団的自衛権は違憲」と明言する憲法学者を推薦してしまった自民党の憲法改正推進本部長・船田元議員。日清オイリオ4000株など約800万円売り。
「株はすべて相続したもの。売却したのは選挙準備のため?それも理由かもしれません」(秘書)
アンケートに協力的なのはなぜかいつも「儲かっていない」議員たち。歯切れが悪かったり、担当者がいつも不在だったりする事務所も多かった。懐ろ事情はなかなかわからない。
そもそも、議員が株を売買することは問題ないのだろうか。日本大学法学部の岩井奉信(ともあき)教授はこう言う。
「国会議員は立法を司っており、インサイダー情報も入ってくる。また審議中の法案がどうなっていくかわかれば、具体的な銘柄も見えてきます。大臣や政務三役は株式を信託して取引を自粛することになっていますが、ほかの国会議員もそうするべきでしょう」
取引のできない議員といえばこの人。中谷元防衛大臣がシャープ1万2000株を長期保有し、大炎上中だ。現在、株価は170円と、8年前のおよそ14分の1。自分の資産は防衛できなかったということか。
(週刊FLASH 2015年6月30日号)