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確定申告で知りたい香港「年収1000万円で所得税5万円」の魅力

マネーFLASH編集部
記事投稿日:2016.03.11 01:02 最終更新日:2016.03.11 01:03

確定申告で知りたい香港「年収1000万円で所得税5万円」の魅力

写真:AFLO

 

 

 確定申告シーズンももうすぐ終わる。今年もまた巨額の税金を取られて、怒り心頭の人も多いだろう。

 

 所得税が安い国といえば、ニュージーランド、シンガポール、香港、スイスだ。  この4つの国と地域は、所得税が日本に比べて大幅に低く、キャピタルゲイン課税と相続税が存在しない。そのせいか、永住者数は、1996年の約6700人から2013年の約1万7000人と、17年間で2.6倍にも膨らんだ。

 

 こうした永住者のなかには、多額の税金の支払いを回避しようとする富裕層が多く含まれているという。

 

 日本の所得税は最高55%、法人の実効税率は約36.9%。これに対して香港は所得税が同15%、法人税が同16.5%。シンガポールは所得税が同20%(2017年度からは22%)、法人税が同17%にすぎず、しかもともに地方税、相続税、贈与税、キャピタルゲイン課税が存在しない。

 

 そこで右の2つの国と地域には、若くして成功を収めたベンチャー起業家、資金運用などで巨額の報酬を得た外資系証券会社の社員、さらには相続税の節税を目論む資産家の熟年夫婦らが、日本を捨てて移り住んでいる。

 

 香港で投資コンサルティング会社を経営し、日本人富裕層の動向にも詳しい笹子善充氏はこう話す。

 

「日本の国税当局は、株式などの金融資産を1億円以上保有する富裕層が海外移住する際に、金融資産の含み益に課税する『出国税』を導入しましたが、時すでに遅し。数十億円、数百億円の資産を持つ本当の大金持ちのほとんどは、すでに香港で悠々自適の暮らしをしています」

 

 香港では3億円あれば一生遊んで暮らせるといわれているが、恒常的な財政黒字もあって国民が負担する税金はわずか。夫婦と子供2人で年収約1000万円のサラリーマン世帯が支払う所得税は、たったの5万円。手元には995万円も残る。

 

 同じ年収1000万円でも日本なら、所得税や社会保険料などを天引きされて手元に残るのは700万円程度。その差は歴然だ。

 

 企業もほとんど無制限に経費を計上できるため、最高税率16.5%の法人税を支払っているところは稀だという。  笹子氏によると、最近の香港の日本人社会は、自らのHPのアフィリエイト(成果報酬型広告)でひと山当てた若者で、溢れ返っているという。

 

「成功すると毎月100万〜500万円程度の収入があるようです。HPは日本にいなくても作成できるし、アフィリエイトの仲介会社は海外に直接送金してくれるので、日本に住む必要はいよいよありません。彼らは日本に時々帰っていますが、領事館にも登録せず就労ビザで住み続けていますね」

 

 シンガポールも10年ほど前までは人口が少なく治安などの生活環境も良好、物価も安かったため、移住先に選ぶ日本人の富裕層が多かった。「親と子がともに5年を超えて日本国外に住めば、国外(つまり日本)にある資産には課税されない」という日本の税制を逆手にとって、相続税を節税する目的で一家揃って永住する資産家も数多くいたという。

 

 だが、豊かになった中国人が数多くシンガポールに移住してきた。このため街全体が騒がしくなり、物価はかつての2倍以上の水準に。地価も東京の銀座を上回るレベルにまで高騰した。

 

 加えて、2017年度から最高税率が22%に引き上げられることで、シンガポールから香港に移住する日本人富裕層が急増する可能性があるという。

 

「香港は物流が劇的に向上して、いまや東京となんら変わらない生活が送れます。日本の新聞やテレビ番組もリアルタイムで見られるし、食材も東京より上質のものが食べられます。シンガポールは日本から遠いし、年中暑いのが高齢者には厳しい。税金面のメリットも縮小すれば、日本から移住する人も減るかもしれません」(笹子氏)

 

(FLASH+ 2015年5月5日号)

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