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白石茉莉奈が理想の密会を妄想「あなたとゴルフの後で……」

夜バナFLASH編集部
記事投稿日:2016.08.10 21:00 最終更新日:2016.10.12 13:01

白石茉莉奈が理想の密会を妄想「あなたとゴルフの後で……」 

 

「早く……」

 

 淫靡な懇願が彼女の唇から漏れる。その唇を塞ぐように、私は接吻した。

 

(このまま進んでしまっていいのか)

 

 心の声が私を咎める。絡めた指先に視線を送ると、薄明かりに浮かぶ彼女の左手の薬指には、指輪がはめられたまま。流行に疎いはずの自分がまさか「ゲス不倫」とは。少し笑ってしまう。

 

「どうしたんですか?」

 

 キスから先に進まないことに痺れを切らしたのか、それとも私の迷いに気がついたのか、茉莉奈は不審な表情を浮かべている。

 

「ちょっと焦らしてみただけ。すぐに気持ちよくすると味気ないでしょ?」

 

 ふくれっ面をしておどける姿には1児の母には見えない子供っぽさがあった。そのまま茉莉奈を抱き寄せる。乳房に触れると、その表情とは別の成熟した女を感じることができた。私は戸惑いと耐え難い甘い誘惑の間に動けなくなっていた。

 

 そのときだった。ゆったりとした時間を切り裂くように、枕元の携帯電話が鳴った。私のものではない。

 

「すみません。ちょっと出ます」

 

 断わりを入れて、彼女は電話を取る。口調から、相手は夫のようだった。

 

「うん。今日は友達のところ。明日の夕方には帰るから。そう、ゴルフの……」

 

 聞いているのは、悪いような気がして、ベッドルームを出た。冷蔵庫からミネラルウオーターを取り出して、ソファに座り、ひと口飲む。ぼんやりしているうちに、これまでのことが自然と思い出された。

 

●気乗りしないパーティで熱烈オファー

 

 出会いは、友人に誘われたパーティでのこと。彼女はその場に合わせて、参加者の話に愛想笑いをしていた。気乗りしていなかったのだろう。

 

 かく言う私も、このパーティはつき合いとしか思っておらず、適当な会話をしていた。適当なといっても、私のネタ帳には、野球、ゴルフ、酒くらいしかない。

 

 女性が疎いであろうゴルフの話をしていたら、そこに食いついてきたのが茉莉奈だった。もっと話したいという熱烈なオファーを受け、2人で会うようになり、既婚者であること、1児の母であることといった身の上話まで聞くことに。

 

 私は未婚であるし、趣味の話を聞いてくれる相手が出来たことが嬉しかった。  だが、困ったことに趣味のパートナーは、しばらくすると性のパートナーにもなってしまった。

 

●熱が入るゴルフレッスン

 

 今日は埼玉の河川敷にあるカントリークラブでラウンドを楽しんだ。出会ってから約半年になるが、だんだんと上達してきているようで、ついレッスンにも熱が入る。出会ったころはスコアが130を超えていたのに、今は120を切るようになった。

 

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 帰り道では、アウトレットに寄って、アイアンを選んであげた。満足のいく買い物ができたようで、先生としてもこんなに嬉しいことはない。近くの公園には桜が咲いていて、少し散歩を楽しんだ。

 

 家に帰ってもなかなか先生癖が抜けない。ソファでくつろいでいても茉莉奈のことが気になって仕方ないのだ。

 

 料理をする彼女に「なにか手伝おうか」と声をかけると、「簡単な料理だから大丈夫」といなされ、「これは冷蔵庫に入れておこうか」と声をかけると、「座ってテレビでも観ていてよ」と言われる。

 

 夫にもこんなふうに接しているのだろうか。羨ましい。羨ましいと思えば思うほどに、その幸せを崩してしまうのではないか、と気にかかる。戸惑いの原因はここにあるのだ。

 

●大きなバストが生き物のように

 

 ふと、現実に返る。電話が終わったらしく、彼女も寝室から出てきた。自分のバッグの中をゴソゴソと探して、きれいなメッセージカードを取り出した。

 

「読んでみてください」

 

 彼女は、ひと言。それを私に差し出す。手紙にはこう綴られていた。

 

「不動さんへ 出会ってから、半年になりますね。ゴルフの話、料理の話、仕事の話……。私の知らないことを夢中で話すあなたを見ていると、幸せな気持ちになります。イケナイ関係であることが負担になってしまっているのを知りつつ、どうしてもあなたを求めてしまう私がいます。これからも、どうか愛してください。白石茉莉奈より」

 

 読み終えると、彼女のほうから、私の上に覆いかぶさってきた。潤んだ瞳で求める。彼女が進んで私のものになろうというのに、拒むことはできない。

 

 もとより、ずっとそうしたかったはずだ。調子よくパートナーにして、分が悪くなって逃げるほうがゲスではないか。私の答えは決まっていた。

 

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 勢いよく、乳房に吸いつく。他人のものである事実もすべて唾液で洗い流すような、濃厚な愛撫。押し倒すと茉莉奈の頰は紅潮していた。すぐに脱がそうとすると、「ベッドでお願い」と、吐息が荒い。

 

 すぐに寝室に移動する。

 

「お尻も大きくていやらしいね」

 

 吐息まじりの声に気をよくした。完全に茉莉奈を征服したような達成感。私は我慢ができなくなった。

 

 茉莉奈がいたずらっぽく微笑む。「まだ大丈夫そうじゃないですか」。彼女は再び攻めてきた。どうやら、征服したと思っていたのは、勘違いだった。彼女の報復が始まる。

 

「次はもっと気持ちいいから」

 

 私は上に乗られた。動けとばかりに腰を振ってこちらを促してくる。なすがままに腰を動かしていると、数分で果ててしまった。

 

●眠っている彼女を好きに

 

 気がつくと、もう朝だった。昨日はあのあとシャワーを浴びて、会話もそこそこに深い眠りについた。あんなに濃厚な交わりは久しぶりだった。

 

 彼女は眠っている。手を伸ばすと、大きなバストに触れた。きっと彼女は、目覚めている。それでいて、こちらに身をまかせてくれているのだ。

 

 それならば、好きにさせてもらおう。眉根は少し歪み、息も少し荒い。それでも寝たふりを演じている茉莉奈が愛おしい。

 

 この不義はおそらく永遠にはつづかない。だが、それでもいいと昨日手紙をもらったときに決めたのだ。ゲスと呼ばれようが、もうかまいはしない。

 

(週刊FLASH 2016年3月29、4月5日号)

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