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日本中の男どもを興奮させた「美乳の歴史」を教えよう【映画編】

夜バナFLASH編集部
記事投稿日:2016.08.11 20:00 最終更新日:2016.10.12 13:00

日本中の男どもを興奮させた「美乳の歴史」を教えよう【映画編】

写真:AFLO

 

 乳房それ自体にエンタテインメントとしての魅力を与えたのは、ミス日本の山本富士子などの先駆者たちであった。ことに、映画業界において一石を投じたのが前田通子だ。彼女は邦画史上初のオールヌードに挑んだ女優であり、映画における美乳やヌードの価値を世の中に知らしめた第一人者である。

 

 まず、美乳を楽しむことができるのは写真(雑誌や写真集やポスター)、現場(ストリップやイベント)、そして映像(テレビ・映画)の3つ。まずは、映像のなかでも、前田通子から始まる映画美乳について紹介することにする。

 

 1960年代、香取環主演の『肉体の市場』をはじめとしたピンク映画が流行し、1970年代には、白川和子らが築いたロマンポルノの時代を経て、映画美乳の文化は醸成された。

 

 そうした時代のなかで、大女優たちも果敢にヌードに挑戦した。映画評論家の前田有一氏は、夏目雅子を例に挙げる。

 

「1980年の『ザ・商社』では、演出を担当した和田勉に『こんな胸でいいですか』とおっぱいを見せて聞いたと言われます。さらに、1982年の『鬼龍院花子の生涯』においては『ほかの出演女優が脱いでいるのに、自分だけ脱がないなんておかしい』とヌードシーンの代役を断わり、所属事務所の反対を押し切ってヌードを志願したのです」

 

 映画評論家のモルモット吉田氏は、当時は監督と女優の信頼関係がしっかりしていたと語る。

 

「五社英雄、大林宣彦、深作欣二などの名監督たちは、自ら交渉して女優を脱がせていきました。深作欣二監督の場合は、『青春の門』(1981年)をはじめ、『蒲田行進曲』(1982年)に出演した松坂慶子とのタッグが有名です」

 

 1990年代後半になると、是枝裕和や岩井俊二などの監督新世代が台頭する。是枝監督は江角マキコ主演の『幻の光』(1995年)で、ヴェネツィア国際映画祭において金オゼッラ賞を受賞。

 

「この時期、ヌード描写はエロティックを美しく描く方向に」(吉田氏)

 

 その延長線上に、麻生久美子の『カンゾー先生』(1998年)や、星野真里の『さよならみどりちゃん』(2005年)などの自然なバストトップ描写がある。

 

 2000年代以降は、“女性ウケヌードの時代”へ突入する。杉本彩の『花と蛇』(2004年)や、吉高由里子の『蛇にピアス』(2008年)では、SMや、激しいセックスシーンのある作品であっても、上品に撮ろうという心意気を感じる。

 

 同時期の作品で、最大級のインパクトは真木よう子の『ベロニカは死ぬことにした』(2005年)である。前田氏は、「推定Gカップのバストが見事。それだけでも一見の価値あり」と太鼓判を押す。

 

 そして極めつきが、衝撃のバストトップ披露で21.5億円の興行収入を記録した沢尻エリカの『へルタースケルター』(2012年)だ。

 

 吉田氏は、「女優として伸び悩んでいた沢尻が、冒頭から大胆に乳房を露わにする演技で、一気に勢いづきました。脱ぎ惜しみがないからこそ、受け入れられたと言えます」と評価する。

 

 覚悟を決めた演技が評価に直結するのが映画の特徴だったのだ。

(【写真集編】に続きます)

 

(週刊FLASH 2016年7月26日号)

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