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55歳300人切りオヤジ、キャバクラで口説けるか(最終回)
夜バナFLASH編集部
記事投稿日:2017.04.14 20:00 最終更新日:2017.04.14 20:00
【これまで】
55歳で300人切りオヤジ、いま狙っているキャバ嬢は「えりこちゃん」と「みなきさん」である。いったいどっちと先に最後までたどり着けるのか。
えりこちゃんとは、先日2人カラオケでキスまで果たした。そして、みなきさんとは2度目のテニスをして親密度をあげた。みなきさんと先にゴールすると予想していたが、急転直下、カラオケでえりこちゃんと衝撃のゴールに!
※
午後4時にカラオケボックスについた。なんとか間に合った。ここに来る前、おもちゃ屋で「黒ひげ危機一発」を買った。それと、電気屋で電動マッサージ器(電マ)も買ってある。
えりこちゃんが来た。右手を上げるだけでいい。言葉はもういらない関係だ。カラオケに入ってさっそく開戦。いつもは負けてから勝つ方法を取っていたが、今日は逆だ。最初に得意な曲で91点。勝利だ。前回の続きの雰囲気を作るため「今日はキスからしたい」と言った。彼女は目を閉じた。「5秒よ」と笑って釘を刺すが、一度キスしたので今日はすんなりだった。
一回目のキスは唇を合わせただけにした。ゲーム性をアピールするための念押しだ。「じゃ2回戦」といつものように機械的に進める。2回戦が終わったところで、「あっち向いてホイやろう」と持ちかけた。
「僕が負けたら1回300円払うよ。でも、えりこちゃんが負けたら罰ゲームで1回キスね」
カラオケの1回戦は2人で5分かかるが、あっち向いてホイは数秒で300円ゲットできる。5分で3000円くらい動くから、女の子は喜ぶ。実は、僕は昔ボクシングをやっていたので、指の動きを捉えて勝つことも負けることも自由にできる。
それで、わざと負けて2勝10敗にした。5分で3000円負けた。2回の罰ゲームは後回し、と言ってカラオケで盛り上がった。最高に盛り上がったところで「黒ひげ危機一発」を出した。
「何これ?」
「剣を穴に挿して、海賊が飛び出したら負け。勝ちのレートは5000円、罰ゲームは上半身裸になるってどう」
「カメラに見えるよ」
「電気を消すと映らないから」
「だったらいいよ」
これは調整できないので勝つまでやるしかない。1回目は負けた。「やった」と彼女の喜びは絶頂。2回目も彼女が勝った。1万円の出費は大きい。3回目、ついに彼女が負けた。
「よし!」。心のなかで叫び、すぐに電気を消した。彼女はためらいもなく服を脱ぎ始めた。暗闇にかすかに見える白い肌。後ろに手を回し、ブラのホックをはずしている。肘から先で胸を隠しこちらを向いた。
ここで、先ほど後回しにした罰ゲームをやった。キスをして愛撫すると「あ~」と感じている。そして、今日は電マを使う。カラオケを5曲入れた。伴奏がなる。左胸を愛撫しながら右胸を電マ刺激。
僕は左手で電マを操作しながら、右手でズボンを下ろした。彼女の頭を手のひらで下に押しやった――。だが、カラオケではここまでが限界だ。
「ホテルで続きをしよう」
彼女は何もいわない。手を引いてカラオケボックスを出た。タクシーを止めてホテルへ。タクシーでは彼女の肩を抱き、二の腕あたりをやさしくなでつづけた。
ホテルでは、彼女をベッドに座らせ、湯船に湯を入れた。
「熱いほうがいい? ぬるいほうがいい?」
「ぬるいほうがいい」
彼女はカラオケボックスを出てから、初めて口を開いた。決心したようだ。シャワーの音が緊迫した部屋に響き、いやがうえにも気持ちは盛り上がった。
はやる気持ちを抑え、ベッドに座りテレビをつけた。ニュースをやっている。シャワーから出てきたえりこちゃんが言った。
「テレビを切り替えるのどうするの?」
「消すの?」
「ううん」
彼女は首を横にふった。どうもエッチビデオを流したいようだ。女の子のなかには、恋愛以外でセックスするときエッチビデオを流し続ける子がいる。えりこちゃんもその一人だった。男としては気が散るので切りたかったが、そのままにした。
布団に入り、彼女の方を向いた。90度の角度で彼女の顔を見ながら、彼女の両膝を開いた。今、彼女の顔と同時に見えているこの光景がたまらくいやらしく感じる。
頭の中で、一瞬、これまでの経緯を振り返っていた。最初に会ったとき素朴でかわいい子だと思った。カラオケを何度も楽しみ、今ここにいる現実までたどりついた。
その夢のような時間が終わった。今日が終わった。今までが終わった――。ありがとう、みなきさん。(完)