夜バナ
アメリカのAV事情「女優ギャラ15万円」「契約書は最低10枚」

アメリカのAV嬢(写真・Splash/AFLO)
「近年、アメリカの主要ポルノサイトは日本からのアクセスが増加し、私の会社にも日本の40〜50代のバイヤーやユーザーからの問い合わせが増えています」
アメリカで2003年よりAVメーカー・オリエンタルドリームを経営する加藤氏(仮名)が、中高年が注目するポルノ事情を激白した。
●年間タイトル数
日本では年間3000タイトル以上の作品がリリースされているが、アメリカではどうなのか。
「アメリカでは年間で400から500タイトル前後の作品がリリースされています。各タイトルのDVD販売枚数も500枚から1500枚で、マーケットは日本より確実に小さいですね。
日本同様にDLとストリーミング配信が主流になってきていますよ」(オリエンタルドリーム・加藤氏、以下同)
AVの需要は意外なことに日本より少ないようだ。
「道徳的にキリスト教が強い国であるという部分も関係していると思います。性に奔放なイメージを持たれがちですが、AVを罪と考える国民もまだまだ多いんです」
●男優・女優の数
アメリカには何人のAV女優、AV男優が存在するのか。
「アメリカにはAV女優は200人ほどしかいません。男優も100人程度なので、僕はほぼ全員のことを知っていますね」
日本の素人ものに出るような企画系女優は皆無だという。
「日本のようなバイト感覚のAV女優さんはアメリカには存在しません。皆さん、10年レベルで活動する真のプロフェッショナルです。20歳でデビューして35歳で現役というトップ女優さんもたくさんいます」
スター男優もおり、「巨根信仰が強く、ショーティ・マックという巨根男優がいて、彼の名前を冠にした作品も多くあります」。
●製作費
1本あたりの製作費は日本同様に年々減少傾向にあり、1タイトル300万円以下だという。
「1本あたりの女優の出演ギャラは、日本円で15万円前後です。撮影は1日でメイク1時間、写真撮影1時間、本番撮影30分といった配分です。これを同じ日に数人分撮影します」
出演料が安く、撮影時間も短いように感じるが、それは「1本の作品に3、4人の女優が出演するケースが多い」からとのこと。日本のように単体女優が一人で出ている作品よりも、「複数の女優が競演するスタイルの作品のほうが主流」だという。
アメリカ人の視聴者は意外と欲張りなようだ。
●販売価格
市場規模が日本より小さいというアメリカのAV業界。肝心の製品の価格は「アメリカの作品は収録時間がだいたい2時間前後で、販売価格は30ドルから40ドル前後が主流です」。
価格や収録時間自体は日本とあまり変わらない。ただ、上記のように1作品あたりの出演人数が大きく違う。ストリーミングやDLなどの配信もあり、サンプル画像やサンプル動画が各サイトで確認できるのは日本と同様だが、問題もあるようだ。
「動画が違法に無料アップロードされているサイトがあるのも日本同様で、そこはアメリカでも死活問題になっています」
●販路
日本では大型家電量販店やビデオショップなど、比較的身近な場所で購入できるが、アメリカではそうではない。
「やはり国土が広いので通販が主流です。ローカルな販路としてはポルノショップ、ランジェリーショップなどですね。
アメリカではランジェリーショップでアダルトグッズやAVを扱っていることが多いです。日本のように大型家電店で売るという習慣はないですし、大きなDVDショップも少ないですね」
日本以上に販売は大変だという。
「販売自体が違法という州も2つあります。自由の国とはいいますが、規制も多いのがアメリカの特徴なのです」
●営業方法
日本では作品の発売時、書店やビデオショップなどでAV女優のサイン会が開催されているが、アメリカのAV女優たちはどのような営業活動をしているのだろうか。
「主要都市で年間計10回ほど開催されるコンベンションがもっとも重要な営業機会ですね」
大きなイベント以外に、草の根的で地道な営業活動もあるにはあるらしい。
「ラスベガスでストリップショーに出たり、プレイボーイチャンネルのラジオ番組に出る、『ハスラー』のようなポルノ雑誌に出るなど、さまざまな露出機会があります。
ただ、日本のように地上波に出演するようなことはあまりなく、知名度を上げるのは大変ですね」
●契約関係
「アメリカは契約社会なので、AV女優との契約もとにかく細かいですし厳格です。契約書は最低でも10枚以上ありますし、ID確認も複数の書類でおこないます。契約書に記載のない撮影がおこなわれることも絶対にありません」
それ以外にも、細かく規定されていることがあるという。
「病気に関する事前検査はとにかく厳格です。HIV検査だけでなく、C型肝炎、B型肝炎などの検査も必要で、その陰性証明書を男優と女優が互いに確認したうえでしか、撮影はおこなわれません。定期的な健診義務も契約書に記載されています」
そうした厳しい審査を通過したうえでしか本番撮影ができないのがアメリカなのだ。
(週刊FLASH 2018年2月13日号)