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加齢で老化する「卵子」35歳で生まれたときの1〜2%にまで減少
夜バナFLASH編集部
記事投稿日:2018.04.28 20:00 最終更新日:2018.04.28 20:00
卵子は唯一、肉眼で見える細胞だ。成熟した卵子は直径0.1〜0.2ミリと、人間の細胞のなかで最大。普通の細胞を指の先とすると、卵子はビーチボールぐらいの計算だ。体積にしたら何千倍にもなる。
これだけ巨大な理由は、卵子にはヒトとして生命が誕生するために必要な素材も栄養も全部詰まっているからだ。足りないのは精子が運んでくるDNAの半分だけ。精子から来た染色体と卵子の染色体を組み合わせるのが、卵子の最大の役割だ。
それだけでなく遺伝子の組み換えや修飾も卵子がおこなう。そのため、同じ親からの遺伝子でも顔や性格、体質も違う兄弟姉妹が生まれるのだ。平凡な親からオリンピック選手が生まれるのも、このためだ。
さらに、天変地異や病気が流行ったりしたときに、みんな同じ遺伝子なら人類はあっという間に絶滅してしまう。
そういうときに生き残り、次の世代に人類を残すためにはいろいろな人間がいなければならない。そのために、常に遺伝子、染色体の組み換えが自然に起きている。それを受精のときに担うのが卵子の役割だ。
驚くのは、女性は母親の胎内にいるときに、すでに卵子のもととなる「原始卵胞」を持っていることだ。
その数は妊娠5〜6カ月(20週前後)の胎児のころがピークで、500万〜700万個ある。ところが生まれるときには200万個くらいに減り、生殖年齢に入る思春期のころには10万個から30万〜40万個くらいに減少し、それ以降も減り続け、閉経時には1000個以下になる。
排卵される卵子は月に1個、一人の女性の生涯でせいぜい400〜500個でしかない。このときしか、妊娠のチャンスはないのだ。
しかも、原始卵胞はその女性の年齢と同じだけ年を重ねる。どんなに見た目が若くても、卵子は老化する。そして年をとればとるだけ、卵子の数は減り、質も古くなって妊娠しづらくなるのだ。
妊娠には適齢期がある。晩婚化、晩産化で妊娠適齢期を逃す女性が増えている。
「卵子は加齢とともにどんどん減少していきます。35歳では生まれたときの1〜2%にまで減っています。そして傷んでいく。これは女性にとって都合が悪いように思えるが、女性の体を守る大切な仕組みでもあるんです。
女性にとって妊娠、出産は大変な負担です。体力が落ちてきたときに、自然に妊娠しなくてすむ仕組みになっているんですよ」(浅田レディース名古屋駅前クリニック・浅田義正院長)
胎児のころからすでに将来の妊娠のために準備し、命がけで出産をする女性。そのもととなるのが卵子である。
(週刊FLASH 2018年4月10日号)