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人妻はなぜ不倫に走るのか?キーワードは「金妻」「レディコミ」…

夜バナ 投稿日:2018.06.08 20:00FLASH編集部

人妻はなぜ不倫に走るのか?キーワードは「金妻」「レディコミ」…

 

 女優、タレントから女子アナ、政治家まで、有名人の不倫報道が後を絶たない。だが、文春砲の標的になる心配がない普通の奥さんたちはもっと乱れているーー。そう断言するのは人妻取材30年のオーソリティ、常盤準氏だ。その理由とは?

 

 まさに不倫大国ニッポン! 今の世の中、皆さんが思っているよりも、はるかに多くの人妻たちが、夫以外を受け入れ、ふしだらな不倫に溺れている。  

 

 そんな淫らな状況を生み出した背景には、誰もが知っている社会現象、ヒット作品、通信ツールの発達など、さまざまな要因が絡み合っている。  

 

 それでは、人妻の不倫進化の過程を多角的に見ていこう。

 

■スマホの登場が不倫を加速

 

 2018年現在、スマホなしでは生活できない人も多いだろうが、その代名詞ともいえるiPhoneが日本で発売されたのは2008年。ほんの10年前のことだ。  

 

 もっとも、携帯端末が浸透する下地はあった。1995年ごろから急速に小型化したケータイが、世紀末の2000年になるころには、主婦層も含めて、一人1台というほど普及していたのだから。  

 

 ケータイは、それまで家や家族に縛られていた人妻たちに、誰とでも気がねなく連絡を取り合える “プライバシー領域” を与えた。つまり、人妻たちが、夫以外の異性とも気軽にコミュニケーションを図ることができるようになったのである。

 

 男性に家の電話を教えるのは抵抗がある。しかし、自分しか使わない番号やアドレスなら簡単に教えられる。

 

 ケータイがなければ一期一会で終わっていたはずの出会いでも、メールや通話での継続的な意思の疎通が生まれ、やり取りを繰り返すうちに、恋人気分になってしまうことも多い。  

 

 極端なことを言えば、相手が出会い系やSNSで知り合った、顔も知らない男性だとしてもだ。それが憎からず思っている知人男性だとしたら、仲よくなるなというほうが無理な話だろう。  

 

 そうして、ケータイが必需品となった21世紀の幕開けは、人妻たちの間に、不倫が急増するターニングポイントとなったのである。

 

■人妻の解放につながった『金妻』

 

 ケータイの普及だけで、急に人妻たちが奔放になったわけではない。それを容認する時代背景もあった。

 

 2014年に放映された、上戸彩と斎藤工の不倫ドラマ『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』は話題を呼び、2017年、映画も公開されたが、その源流を探れば、1983年に大ヒットした『金曜日の妻たちへ』にたどり着く。

 

 結婚したら女を捨てて家事、育児がまだまだ当たり前だった当時、『金妻』で描かれた、人妻たちが夫以外の男性と織りなす恋愛ドラマは、「結婚しても女でいたい」主婦たちの共感を呼んで、不倫ブームを巻き起こし、1984年、1985年と続編が制作された。  

 

 さらに本音をむきだしにした愛欲シーンが注目を集めた『失楽園』が、小説、映画、ドラマのすべてで日本を席巻したのは、1997年のことだった。  

 

 不倫が肉欲と表裏一体だというリアルなメッセージを支持したのは、圧倒的に女性が多かったという。

 

 満たされぬ思いを秘めていた人妻たちが、不倫ドラマの中で描かれた恋愛やセックスに、好奇心を膨らませたのは無理からぬことだった。  

 

 フィクションと現実の狭間で、「満たされぬ主婦は不倫するもの」などと解釈する人妻さえ少なくなかった。

 

『金妻』が人妻たちから不倫への抵抗感をなくし、『失楽園』が夫以外の男性との性愛行動へと走らせた。それほどの影響があったのである。  

 

 昨今、ワイドショーで流され続ける不倫報道を見て、人妻たちは、何を思っているのだろうか?

 

「バカね、バレちゃって」
 そんなところかもしれない。

 

■レディコミとテレクラの功罪

 

『金妻』が人妻たちの不倫願望を描いた表の作品であるなら、ほぼ時を同じくして、人妻たちを巻き込む「裏の社会現象」とでも呼ぶべきセクシャル・ムーブメントもあった。

 

 まず1985年前後から創刊が相次ぎ、一時は毎月何十冊も出版されていた、過激な性描写を売りにしたアダルト系レディスコミックだ。  

 

 読者の多数を主婦層が占めていたため、どの雑誌にも “倒錯的な不倫セックス” を描いた作品が満載だった。

 

 SM、乱交から、野外露出まで、なんでもあり……。おいおい、これを本当に女性が読むのか? 

 

 そうした疑問はすぐに吹き飛んだ。なにせ、かくいう筆者が人妻取材を始めたきっかけが、これらレディコミ読者へのインタビューだったのだから。

 

 綴じ込みのアンケート用紙には、明らかな女文字で、淫らな妄想と個人情報が書き込まれていた。エロい取材に応えてくれるのは、ほとんどが人妻だった。

 

 どこにでもいそうな主婦なのに……。  
 そんなレディコミに大量の広告を掲載していたのが、当時、全国的に流行していたテレクラだった。

 

 レディコミで刺激を受けた女性が、広告を見てテレクラにフリーダイヤルで電話するという相乗効果だ。  

 

 昼間にかけてくるのは専業主婦がほとんどだった。とはいえ、会うまでは踏み切れず、電話だけで終わらす女性が多かった。  

 

 レディコミやテレクラが社会現象になったことは、どこかタブー視されていた “人妻の性欲” を世間に暴露するきっかけにもなった。性的に抑圧されてきた人妻だからこそ淫らな願望を抱いているのだとーー。  

 

 このように1985年以降、1990年代半ばまでは、人妻たちの不倫願望がいつ爆発してもおかしくない状況だった。そこに起爆剤として登場したのがケータイというわけだ。  

 

 そして時代はスマホへーー。朝日新聞の世論調査では、インターネットの発達で日本社会は人と人との繫がりや結びつきが「希薄になった」と思っている人が79%らしいが、こと不倫セックスに関しては、スマホでネットを駆使して、ますます濃密になっていくはずだ。

 

常盤準(ときわじゅん) 
アダルト雑誌編集、編集プロダクション経営を経てフリーに。官能作家デビューは2008年。1980年代後半、過激な性描写のレディコミブームを支えていた人妻読者の取材を開始。以降、取材した人妻は2000人以上におよぶ
(週刊FLASH 2018年5月22日号)

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