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女子大生が感嘆の声を「100億円産業」ビニ本の栄枯盛衰
夜バナFLASH編集部
記事投稿日:2018.06.23 18:23 最終更新日:2018.06.23 18:25
コスプレで露出の限界を追究したり、大学の授業でセックスワークを調査したり……。いま、性文化に真面目に取り組む女子大生が増えている。
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「今日は皆さんに、薄消しの元祖であるビニ本の歴史を学んでもらいます」
教材であるビニ本を机の上に数十冊並べたのは、日本有数のコレクター、斉藤修氏。本をチラリと見た早稲田大学の学生であるサオリさん(仮名・18)から驚きの声が上がる。
「想像よりガッツリ写ってる! あ、これ早稲田大で撮ってますよ(笑)」
ビニ本とは、1970年代ごろから、中身が見えないようにビニールに包まれて書店で販売されたグラビア誌である。斉藤氏が講義を続ける。
「現在とは違い、64歳になる私の時代は、陰毛の存在がわかるだけでも大問題。陰毛に価値があった時代でした」
ビニ本の走りは1971年に発行された「下着と少女」だ。初期は、木綿のパンティに薄く陰毛が透けていた。
「その後、ライバルとなる自販機本の激しさに対抗し、パンティのあて布をはぎとったところ、おおいに透けて、1980年の爆発的なヒットにつながったのです。しかし、取り締まりもあり、1、2年でビニ本は勢いを失います」
神田神保町を中心に一冊2000円から3000円で売られ、100億円産業ともてはやされたビニ本は、新宿を本拠地とした一冊1万円という非合法な裏本に取って代わられる。歌舞伎町の販売店には、男たちが列をなした。同じく早大生のスミレさん(仮名・23)からは、今風の意見も出された。
「今はネットで注文するから、特定の街やお店に買いに行かない。本自体にモノとして価値があったんですかね」
斉藤氏が鋭いツッコミに答える。
「今でいう限定品。当時ビニ本や裏本は、サラリーマンの東京土産にもなったんですよ(笑)。その裏本も、1、2年で摘発のため、下火になります。
生き残った後期のビニ本は、ベールや薄い布が1枚かけられただけの過激さを売りにしていました。これらは、ベール本と呼ばれます。ビニ本の会社は、その後AVメーカーになることも多く、今のアダルトメディアにつながるアイデアがたくさん詰まっていました」
斎藤氏からビニ本の歴史を勉強し、女子大生2人は「こういう勉強をできる場所がないから、むちゃくちゃ新鮮でした」(サオリさん)、「今のAVより過激かも。完全な無修整は初めて見ました」(スミレさん)と感想を述べる。
ビニ本はとっくに消えた。だが各方面に進化したエロスは、今もJDを魅了してやまないのだ。
さいとうおさむ
1954年生まれ 愛知県出身 AV男優、監督として現役で活躍。「なめダルマ親方」として知られる
(週刊FLASH 2018年6月5日号)