「久しぶりにオンナに戻った私」その理由は／希43歳

　長らく男の優しさから離れていた彼女たち。でも、どうして久しぶりにオンナに戻ったのか。満島ひかりに似た保険外交員　の希（43）が「境遇が似ていたから」と明かす。

「夫が浮気していて、それが許せなくて25歳のときに離婚しました。一人息子は私が引き取り、育てることに。ただ元夫も子供にとっては唯一の父親だし、月に一度は面会して一緒にご飯に行っていました。

　今年、息子が22歳になり、大学卒業と同時に大阪で就職が決まったんです。

　一人暮らしなんてしたことがなかったので、ちょっと寂しい気持ちもあり、久々に元夫に連絡を取ってみました。すると「友達と飲んでるからおいで」と誘われて。タダ飯が食べられると思って、ひょいひょい出向いて行ったんです。

　指定されたお店に行ってみると、元夫は友人2人と飲んでいました。そのうちの一人・藤田さんは私も知り合いでしたが、いきなり元夫の前で私を口説いてきたんです。するとなぜか元夫がやきもちを焼き出して。

　不思議な光景でした。藤田さんがデートに誘ってくれたんですが、元夫が「俺も同伴じゃないとダメだ」と言い張り、それをネタにもう一人の友人も「じゃ、俺も行く」とダチョウ倶楽部みたいなやり取りが繰り広げられていました。

　その後、元夫に内緒で藤田さんから連絡があり『本気でデートしません？』って誘われたんです。デートといってもどんなことをしていいのかわからず、飲みに行くことになりました。

　藤田さんとは付き合いも長く、私と元夫が月一で会うことも知っていたのですが、こうやって2人で会うのは初めてでした。お互いの昔話をしながらお酒も進み、あっという間に終電に。

　お会計した後、「俺、前から希ちゃんのこと狙ってたんだけど、○○（元夫）が許してくれなくてさ」と告白されてびっくり。返事は保留にしてお店を出ました。

　地下にある居酒屋だったんですが、階段を登るときに後ろから名前を呼ばれて振り返ると、ぐいっと手を引き寄せられ、キスされてドキドキしてしまいました。

　藤田さんは私の2歳上で、奥さんが8年前くらいに亡くなっていました。お子さんが息子と同い年だったこともあって、私と同じタイミングで一人暮らしが始まったそうなんです。お互い、寂しい気持ちがどこかにあったんでしょうね。

　それから何度か元夫抜きで会うようになったんですけど、ある日『もし、よかったら一緒に住まない？』と言われました。最初は冗談だと思っていたんですけど、本気だったらしく、私も寂しかったので一緒に住むことにしたんです。

　家はお互い持ったまま、私が藤田さんの家に転がり込む感じになり、私がご飯を作り、藤田さんがそれを食べて茶碗を洗うという生活が始まったんです。

　一緒に住み始めたのを知った元夫が藤田さんの家に遊びにきて『俺は希とやり直したい！』と酔った勢いで言ってきたことがありました。それを聞いた藤田さんが、『ダメだよ、希ちゃんは俺のだから』とビシっと言ってくれたのが嬉しかったです。

　それだけじゃなく、2人でいるときもくさーい言葉をたくさん言ってくれるんです。「綺麗だよ」「可愛い」「好きだよ」「愛してる」……今までこんなにたくさん言われたことはなかったかもしれません。

　それから3カ月が経った頃、「よかったら、僕と結婚しない？」と言われました。

　正直なところ少し迷ったんですが、「ゆっくり決めていいから」と言われ、一晩考えて。翌朝「結婚します！」と朝一で言うと、藤田さんはすごく喜んでくれて、そこで初めて体の関係になりました。来月入籍します」