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ビニ本とAVで年商24億円「エロバブル」時代を当事者が振り返る
夜バナFLASH編集部
記事投稿日:2018.10.19 20:00 最終更新日:2018.10.19 20:00
1970年代末から1980年代初頭に一世を風靡した、男のロマン「ビニ本」。女性の局部が無修正で露わになっているエロ本のことで、立ち読み防止のために本をポリ袋に入れたのが言葉の由来である。
1979年~1980年の2年弱。ビニ本の元祖・芳賀書店(東京・神保町)は、この期間の儲けだけで自社ビルを建てた。同社3代目の芳賀英紀専務が語る。
「店の1コーナーで販売していたエロ本の売れ行きがあまりによく、売場面積を広げる際に、立ち読み防止のため本をポリ袋に入れました。すると、お客様の回転率が上がり、劇的に売り上げも伸びたのです」
当時は1時間に一度、店に現金回収に行かないとレジが閉まらなかった。芳賀氏も子供のころ、この「ビニ本バブル」を謳歌した。
「小学生のときの夏休みは、1カ月間ニューオータニに泊まり、久兵衛(高級寿司店)の職人さんとも顔なじみでした。中学に入ると、自宅とは別に借りている麹町の高層マンションから通学していました」
しかし好事魔多し。1980年、英紀氏の父が風営法違反の疑いで逮捕されてしまう。
「それからほどなくしてビニ本ブームが終焉。その後、VHS全盛期には年商は24億円にのぼりましたが、DVDが主流になると客単価が低下し、収益は5分の1になりました」
英紀氏が経営に携わるようになったのは21歳のとき。最大11億円あった負債を、1億3000万円まで減らしたが、DVD、そしてネットと、エロ業界を取り巻く環境は悪くなるばかりだ。
9月15日、芳賀氏はアダルト商品を扱う「神田古書センター店」を閉店させた。1979年に開店し、ビニ本を売りに売ったまさに“聖地”だ。
「いまも、ビニ本時代からのユーザー様が店に見えてくださいますし、苦渋の決断でした。日本はポルノ大国といわれますが、アダルトで100年やってきた企業はない。芳賀書店がそうあるために、神保町本店に注力したい」
一時代を築き、また同社を支えたビニ本を手に、芳賀氏は力をこめた。
はがひでのり
37歳 芳賀書店専務取締役のほか、SEXアドバイザーとしても活躍する。2018年、新たなエロWEBメディアを開設予定
(週刊FLASH 2018年10月2日号)