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佐々木忠80歳と村西とおる70歳が語る「わがAV道に悔いなし」
夜バナFLASH編集部
記事投稿日:2018.10.29 20:00 最終更新日:2018.10.29 20:00
代々木忠監督(80)と村西とおる監督(70)が息をつく暇もない対話を繰り広げてくれた。
代々木 村西さんと会うのは7年ぶり。本格的な対談は初めてですよね。楽しみにしていました。
村西 恐縮でございます。私は「言葉でエロを紡ぐことができる」ということを代々木監督から教えられまして、不肖でございますが、監督の一番弟子を自任しております。
代々木 僕は村西さんが出てきたときのことを鮮烈に覚えています。僕が編集している隣の部屋で、『SMぽいの好き』を観ていたスタッフが、馬鹿笑いしているんです。監督が出るなんて考えられない時代。「ぶっ飛んだ、すごい人が出てきたなあ」と思いました。
村西さんは存在そのものがエンターテインメント。自分で撮って、出演しちゃって、プロデュースもする。じつに能動的。ぼくは人見知りするし、女のコあっての作風で、受動的ですから。
村西 ですが、私は対極にあるとは思いません。日本には、落語や講談、浪曲などの話芸の文化があります。代々木監督も、言葉の力で、エロスというものを描いていく。
私の「応酬話法」は、代々木監督の手法をデフォルメしたものなんです。代々木忠の後ろに、おこがましくも私が存在している。代々木監督の「言葉でエロを描く」という教えに従い、塩、コショウのように味つけし、コーヒーのエキスを抽出するように真のエロスを表現したのでございます。
私の場合は撮影で自分が女性とイタすこととなり、女性の噓で固めた演技を削ぎ落とすため、言葉の世界を駆使しました。
女性は “犯される存在” ではなく、男を “凌駕” する世界を持っているんだ、女性自身が、女性器の名前を絶叫しながら男性に「性」をアピールできる時代なんだ、楽しむための道具としてSEXがあるんだ、ということを表現したい。
一見、清楚な女性がこんなにアバズレだったという落差にエキサイティングするんですね。「さあ、どうぞやってください」では、真のエロスは出てきません。
代々木 女性はオーガズムを体験すると別人に変わり、生き方がポジティブになる。オーガズムで失神したら記憶はないはずですが、彼女たちは「深い瞑想状態で無色界の境地」に近いことがわかった。そこから僕は精神的な内面世界に興味を持つようになったんです。
僕が「チャネリングFUCK」(※1)を撮りはじめた27、8年前は、まだその概念は説明できていなかった。今は「ミラーニューロン」(※2)の原理で説明できます。トランス状態になると、カップルは目隠しをして離れていても互いの心情や快感が同期するんです。
村西 AVを、当時の女性が評価してくれたことが大きいですね。「こんなの変態よ」となったら今日の隆盛はございません。
※1/肉体の交わりではなく、心を交歓させ、離れた男女が愛の波動でオーガズムに達すること
※2/目にした行動に鏡に映すかのように共鳴し、自身も同じように行動する神経細胞